21Nursing Science and Practice22Nursing Science and Practice研究分野成人看護学:慢性期看護、多職種連携、退院支援研究内容私の研究のポイント研究分野老年看護:認知症ケア・意思決定支援(*)・発達課題(*)研究内容私の研究のポイント15成人看護学(慢性期)講座助教 室谷 寛老年看護学講座教授 木谷 尚美リポートリポート公立南砺中央病院での多職種カンファレンスの様子初期認知症高齢者が現在、過去、未来を語ることの支援は、対象者の生涯発達を支えるのみならず、支援者にとっても認知症とともに生きる人の個別性、生きることの現実の理解につながることがわかりました。※オレンジノートとは、現在・過去・未来の語りの内容を書き遺したもの多職種カンファレンスのメンバー慢性疾患を有する患者に関わるチーム医療において、看護師は医師や理学療法士など多くの医療職種と連携することが大切です。多職種連携において看護師がその役割を十分に発揮するための要因について研究しています。病棟の看護師は、多職種連携において、医療職種間との情報共有不足や価値観の相違による緊張や衝突などの困難を感じています。この問題には個人と組織の両面から捉えることが必要です。そのため、組織的な側面からは心理的安全性(*)や上司のリーダーシップ、多職種連携教育や業務の忙しさなど、個人的な側面からはコミュニケーションスキル(*)や、自己へのポジティブな精神状態など、この問題の要因を多面的に調査します。初期認知症高齢者が「いま」の危機的状況を乗り越え、認知症を持ちながらでも老年期の発達課題(*)である「人生の統合」を獲得できるような看護支援プログラムの開発に取り組んでいます。初期認知症高齢者が老年期の発達課題である「人生の統合」を獲得するための「現在・過去・未来を語り、オレンジノートに遺す支援プログラム」の開発に取り組んでいます。認知症初期の段階であれば十分に自身の思いを語ることができ、この時期の看護は認知症高齢者の生き方の決定に生かすための支援につながると考えています。現在は診療所に勤務する看護職が初期認知症高齢者支援を実践するための教育プログラムを作成中です。Aさんのオレンジノートの表紙看護師の多職種連携促進のための要因探索初期認知症高齢者への人生の統合に向けた看護
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