富山県立大学 研究室ガイドブック2025 看護学部
20/40

27Nursing Science and Practice28Nursing Science and Practice研究分野老年看護学:介護家族、在宅高齢者、看護支援研究内容私の研究のポイント研究分野老年看護学:認知症イメージ・尺度開発研究内容私の研究のポイント18老年看護学講座助教    稲村 尚子老年看護学講座助教    村上 章リポートリポート看護師の認知症イメージと認知症看護実践に関する研究の概念図概念図に示しているように、認知症イメージへの影響要因や要因間の関連、認知症イメージが看護実践に対してどの様な帰結を生むのか等、幅広く研究しています。予防医学の観点から、健康寿命延伸に必要な能力として、ヘルスリテラシーが着目されています。高齢者への実態調査から、対象地域の特性を踏まえた介護予防や健康寿命延伸のための看護支援の検討を行います。ヘルスリテラシーは、健康情報を獲得・理解・評価・活用するための、知識・意欲・能力のことで、入院率や死亡率との関連が明らかとされています。高齢者は地域によってメディアの利用状況が異なり、このヘルスリテラシーは地域差が生じていることが推測されます。そのため、その地域のヘルスリテラシーの実態を明らかとし、より地域のニーズに沿った介護予防や健康寿命延伸のための看護支援活動への活用を目指します。高齢化を背景に、認知症高齢者が身体疾患の治療目的に入院することが多くあります。認知症看護実践に影響すると考えられる「イメージ」を探究し、特に急性期病院に従事する看護師の実践力向上への寄与を目指します。「イメージ」形成には様々な要因が関連し、それらを統合し1つのイメージが作られます。個人の内面で形作られる事を踏まえると、その過程には個人の自己内省的視点が欠かせないと言えます。これまでに、「認知的評価」や「私的スピリチュアリティ」「共感経験」といった概念と、看護師の認知症イメージ形成を検討してきました。現在は、ユマニチュード□の実践を経た看護師の認知症イメージや、尺度開発に向けた研究を進めています。 高齢者が一日でも長く住み慣れた地域で健康で生活するために高齢者は、自身のヘルスリテラシーの向上を目指すことが必要であると考えます。現在実態調査を行っており、この結果からより地域高齢住民のニーズに沿った看護支援活動への活用が期待されます。高齢者のヘルスリテラシーについて看護師の認知症イメージ(*)と認知症看護実践の関連

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る