(*)(*)(*)Nursing Science and Practice研究分野小児看護学:乳児 コミュニケーション技法 シミュレーション教育研究内容私達の研究のポイント3020小児看護学講座准教授 寺井 孝弘小児看護学講座講師 高木 園美小児看護学講座講師小児看護学講座助教若瀬 淳子松本 美子リポート(*)図3 人形が受信したカメラ映像図4 振り返りプログラム画面図2 実験の様子図1 乳児人形の頭部現在、乳児への看護ケア技法を体験できるシミュレーション教育は既に行われています。しかし、現行のシミュレーション教育は教員が客観的に評価し、乳児側の主観的な評価を基準としたものはありません。そこで、今回開発するシミュレーション教育は、本学工学部との連携において、行ったケアやコミュニケーションのとり方を乳児人形側が受信したデータから可視化することで、自分の行ったケアのリフレクションを通してケア技法を獲得する教育を目指しています。本研究は小児看護学の演習教材として、看護学生が言葉の発達途上にある乳児の気持ちを推察した行動がとれるよう、行った援助に対する乳児側からの見え方や聞こえ方、感じ方を可視化する機能を搭載した乳児型のモデル人形を試作しました。そして、モデル人形の評価実験を段階的に実施し、改良を重ねながらシミュレーション教育教材としての完成を目指しています。現在、モデル人形の形体的な乳児らしさやリフレクション機能 の改良を行っています。今後の展望として、このシミュレーション教育は、看護教育の一貫として小児看護学演習で技術の実践学習を行う場面で用いる他、看護師や保育の教育研修、また初めて子育てを行う母親の育児体験場面などでも教材として活用できると考えています。見 る:相手の黒目を捉えて見つめる乳児の特性から人形の瞳孔にカメラを内蔵し、乳児から見える相手の視線の向きや表情を受信する話 す:生後1カ月ぐらいから始まる乳児の発声音を内蔵し、不定期に発信する聞 く:録音装置を内蔵し、乳児の発声に対する応答や言葉の反応を受信する触れる:人形の皮膚表面に静電容量センサを設置し、人形の抱 き方や触れ方の特徴を受信する【ケア技法を評価するために、乳児人形に搭載した機能】小児看護分野のシミュレーション教育 教材の開発
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