31Nursing Science and Practice32Nursing Science and Practice研究分野母性看護学: 助産基礎教育・臨床判断・臨床推論研究内容私の研究のポイント研究分野母性看護学:母乳育児支援 母乳栄養 乳児栄養研究内容私の研究のポイント21母性看護学講座教授松井 弘美母性看護学講座准教授小林 絵里子リポート熟練助産師の分娩期の正常から異常への移行に関する臨床判断の分析結果リポート妊産婦のハイリスク化に伴い、助産師には周産期における正常から異常への移行を的確に判断する臨床判断力が求められます。臨床判断は臨床推論の結果であることより臨床推論を育成する教育方法の開発目指しています。熟練助産師の臨床判断のプロセスは、推論を用いた論理的思考とヒューリスティックによる直観的思考を連動させ分娩時の状況を解釈し、またその過程で助産師としての分娩の考え方と照らし合わせて判断していました。今後は分娩期の異常として助産師が最も多く経験していた事例における助産師のスクリプトを分析し、助産師の臨床推論の内容を具体的に提示し、基礎教育で推論を学ぶ方法の開発につなげたいと考えています。生後8日から194日の乳児を持つ3施設を利用した日本人の母親から提供された母乳(41検体)について、ナトリウムイオン濃度、ラクトース、クエン酸濃度を分析した。本研究は英国スウォンジー大学の研究者と、工学部の教員との連携研究です。母乳組成の変化から分泌の成立を確認することは、従来は行われていませんが、母乳の組成に関連するこれまでの研究では、母乳育児を主としている母親で、一般的に産後5日以内に乳汁ナトリウムの変化が、また乳汁分泌の確立までにラクトースやクエン酸量の変化が起こることが示されています。そこで、母親による母乳分泌の確立を容易に確認できるような分析方法を探すことを目的として実験を行っています。助産師の臨床推論(*)を育成する教育方法の開発母乳の成分分析
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