富山県立大学 研究室ガイドブック2025 看護学部
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45Nursing Science and Practice46Nursing Science and Practice研究分野在宅看護学:地域包括ケアシステム(*) ・外来看護・終末期(*)研究内容私の研究のポイント研究分野在宅看護学:認知症 疼痛評価 脳活動 退院支援研究内容私の研究のポイント28在宅看護学講座助教枝川 奈都美在宅看護学講座助教     久田 智未リポートリポート【認知症高齢者に実施されている疼痛評価】【認知症高齢者を支援する職種】様々な背景をもった多職種【望ましい疼痛評価】認知症高齢者の疼痛を正しく評価し疼痛コントロールを図る→行動・心理症状の出現・増悪の予防地域包括ケアシステムの推進に伴い、長く在宅生活を維持し生活できる体制構築が求められています。通院時の生活継続支援や看取り支援について、在宅サービスの円滑な活用の観点から研究しています。一旦入院が必要な状態になると、身体の状態が完全に回復することが難しい場合が多くみられます。体が一旦弱ってしまうと元の生活に戻れない不安が強くなってしまい、自宅へ帰る自信を取り戻せない患者さんも多くいます。日本では、このように様々な疾患を抱えていても在宅で過ごせるように、医療・介護・福祉といった複数の在宅サービスを利用できる地域包括ケアシステムという体制の整備が勧められています。これらのことから、入院を必要としない早期の段階での、在宅サービスの活用を検討しています。認知機能が低下すると、自分の思いや訴えを正しく表現することが困難になります。そのため認知症高齢者の苦痛の評価は困難です。認知症高齢者の苦痛や疼痛緩和に向け、それらを正しく評価する方法を検討しています。これまでの研究から、認知症高齢者の疼痛は、本人からの訴えに加え観察や家族・多職種からの情報に基づいて評価されていることが分かりました。認知症高齢者には多くの職種が関わっています。認知症高齢者の疼痛を把握するためには、職種間で統一されたより簡便な評価を行うことが重要と考えます。認知症高齢者の疼痛を正しく評価する方法を検討し、疼痛をコントロールすることで行動・心理症状の出現や増悪の予防を目指します。外来と在宅の結びつきを分析し、在宅サービスによる充実した生活支援の方針を探求します。・本人からの言語的な訴えに基づく評価・(医療者等の)観察に基づく評価・家族/多職種からの情報に基づく評価病院の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、在宅医、訪問看護師、介護福祉士…統一された評価、どの職種も実施しやすい評価通院患者の在宅サービスによる生活継続支援認知症高齢者に対する疼痛の評価方法について

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