Saidai Concierge vol.25
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 世界中の食事は民族の文化・歴史や自然、地球の多様性とのたゆまない連携です。日本人は極めて多様な背景をもつ料理を日常的に受け入れています。その上、気のおけない仲間との「おうちごはん」でさえも、供する飲み物、盛り付ける皿を知的に選び、遊び心を楽しむ文化を持っています。埼玉大学は、All in One Campus。国籍や年齢も多様なひとが集い、多様な研究分野の連携と交流があります。それはポスターのような、まるで心身を耕し養う時空間を共にする、みのり豊かな宴の場のようです。 大学院の理工学研究科には、留学生と共に勉強する、ユニークな国際プログラムがあります。主にアジアなどの途上国や新興国から優秀な留学生を国費奨学生などとして大学院に受け入れ、インフラの開発に伴う環境問題、自然災害の減災、災害対策など、環境科学と社会基盤工学に関する教育および研究指導を英語により行っています。1992年にスタートし25年間続いていますが、博士や修士の学位を得て帰国し活躍している留学生はこれまでに総勢400人を超えます。また、左下図のように、卒業生はアジアの各国に広がっていて、埼玉大学を中心に国際ネットワークを形成しています。 大学4年生になると、大学院生と一緒に研究室で勉強や研究を行うようになります。特に、国際プログラムに関係する研究室には留学生が多く、日本人学生は留学生との協働を通じ、居ながらにして英語によるコミュニケーション能力や国際性を身に付けています。出身の国も多様ですから、異文化理解や多文化交流も特別に意識することなく進みます。例えば、研究室単位での懇親会では日本人学生が幹事を務めますが、留学生は国により食べられるものが違うため、店との調整を余儀なくされ、これにより宗教や文化の違いを体験し実感します。右下の写真は、私が関わっていた構造研究室の送別会です。スリランカ人のDammika氏が博士の学位を取って帰国する時の「宴」で、ポスターのイメージにつながります。何カ国の老若男女が集っているか分かりますか?多様性豊かな多文化キャンパスの一コマです。国際プログラムで博士・修士の学位を得た留学生の国別分布送別会で多文化交流(山口学長の隣は学位を得て帰国するDammika博士)14SAIDAI CONCIERGE

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