Saidai Concierge vol.25
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Welcome to my laboratory教養学部 ヨーロッパ・アメリカ文化専修/宮田研究室アメリカという国の矛盾を通して自由や平等、幸福追求の意味を考える英語で読み日本語で徹底的に議論「アメリカ研究」という学問を学ぶにあたっては、自分の生き方を研究に反映させる必要性があると感じています。 そこで学生たちには、まずアメリカで起きていることを自分たちの問題として捉え、それについてしっかり議論できる力を身につけて欲しい。 そのためにも、私のゼミでは、教える側が一方的に情報を伝えるのではなく、英語で書かれた文献を読んだ学生たちが、それについて自発的に発言をし、学生同士で議論を重ねるというスタイルで授業を進めるようにしています。努力に対するネガティブ思考に立ち向かう これから私のゼミで学ぼうという人に伝えたいのは「大学の資源を最大限利用して、夢を叶えてください」ということです。また、現在インターネットを活用すれば、日本にいながらにアメリカのニュースや情報をリアルタイムそしてコストほぼゼロで入手できますが、そういう技術を使いこなすスキルも身につけてください。いずれにせよ「自分は努力をしてもだめだろう」という思い込みや「頑張っている姿を馬鹿にする」というカルチャーはスキルアップの障害になります。まずは、そのような思い込みやカルチャーに立ち向かえる人になって欲しいですね。message宮田准教授より受験生へ本当にアメリカは独立宣言通りの自由と平等の国なのか? アメリカという国が他の国と異なるのは「共和制」という言葉から生まれた理念の国ということ。国王や天皇がいた訳でもなく、いわば、みんなで「自由になろう」「平等になろう」「幸福を追求しよう」という考えのもとに築かれた他に類を見ない国なのです。 しかし、現実には今も昔もそれほど自由ではないし、人種差別もずっと行われてきました。つまり、いつの時代にも、アメリカには、善意を信じながら、不平等や差別、格差を肯定した人たちがいた訳です。このゼミで取り組む「アメリカ研究」の意義は、そのような矛盾をはらんだ国がなぜできたのかを考察していくことにあります。 現在、私が進めている研究は、ジョージア州アトランタにおける人種・階級・ジェンダー間関係の変化について、公共交通網の形成などの都市開発を軸に分析するものですが、「アメリカ研究」が対象とする領域は広範囲に及びます。 例えば、自由の国といわれるのに「なぜ皆着てるものやメイクの仕方が一緒なのか?」とか、「日本人が、アメリカ文化に憧れを抱くのはなぜか?」などという疑問を起点に、その要因を考えることも研究テーマになり得るのです。アメリカで起きている問題は世界の共通課題? 近年、特定の外国人に対して差別的な発言をするヘイトスピーチやヘイトクライムが社会問題になっています。デモクラシーという普遍的な価値観をアメリカと共有している日本でも、このような差別や格差、さらにそうした問題が存在しないかのようにする言論が強くなっています。 そして、現在、このような問題を抱えているのはアメリカや日本に限ったことではありません。つまり「自由や平等という理念の上にある社会がいかに矛盾を含んだものか?」という問いは、今という時代に生きるすべての人が考えるべき課題だといえるのです。 だからこそ、「自由とは何か?」「デモクラシーとは何か?」という根源的な問題に対して正面から向き合える「アメリカ研究」という学問の重要性が一層高まっていると考えています。Profile宮田 伊知郎[みやた いちろう]人文社会科学研究科 准教授1996年埼玉大学教養学部卒業1998年埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了2001年ジョージア大学大学院博士課程入学[2010年に学位取得(Ph.D. in History)]2007年埼玉大学教養学部助教2009年埼玉大学教養学部准教授2015年より現職5SAIDAI CONCIERGE
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