Saidai Concierge vol.25
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Welcome to my laboratory経済学部 メジャー:経済分析/金井研究室人や企業へのインタビューから浮かび上がる日本の雇用制度の特徴大学以降は「知的基礎体力」の鍛錬を 私のオリジナルではないのですが「知的基礎体力」という言葉があります。これは情報収集をして、自分の頭でしっかり考え、行動していく力のことで、学問を究める上で不可欠な課題設定力に繋がるものです。 高校までの「勉強」では答えのある問題を解くのがメインですが、大学以降の「学問」は答えのない問題を自分で設定し、それを解くことに取り組んでいきます。これこそが大学で学ぶ醍醐味です。学生の皆さんは、是非「知的基礎体力」を養いつつ、楽しみながら学問や研究に励んでもらえたらと思います。多様な学生との交流から見えるもの 学生の出身や育ってきた環境が多岐にわたるので、議論の中で、多様な意見が聞けることは、埼玉大学で学ぶ魅力の1つではないでしょうか?また、私のゼミでは、東京大学、九州大学とインゼミ(異なるゼミ同士で同じ研究を行う)を行っています。1年かけて3校で同じテーマの研究を進めて、その結果をそれぞれが発表し、議論するのですが、他大学の学生と交流することで学生たちが得るものはやはり大きいと思います。 いずれにせよ、ゼミ生には、自分の殻に閉じこもらずに、幅広い視野を持ち続ける姿勢をもって欲しいですね。message金井准教授より受験生へホワイトorブラック?企業評価の指標とは——ブラック企業とは何か? ホワイト企業とは何か?「労働問題と社会政策」を扱う私のゼミでは、昨年度、この問いをテーマに研究を行いましたが、その答えは考えれば考えるほど簡単には導き出せません。もちろん法令遵守という視点は基礎情報として必要ですが、それが守られているからといって必ずしも良い企業と言い切れるものではないのです。 ゼミでは「事例研究(ケーススタディ)」という手法で研究を進めます。具体的には、学生たちはいくつかの企業や労働組合を訪問し、インタビューを実施。そこで得た事例を手掛かりに設定した課題に対する答えを追究していくのです。昨年度は、「ブラック企業と呼ばれることからどう脱却するのか?」というテーマで、長時間労働の問題が指摘された居酒屋チェーンの労働組合から話を聞くなどしました。 そして、1年間の研究で学生たちが出した答えは「企業がきちんと社員のキャリア形成に投資しているか?」が、ホワイト企業かブラック企業かを判断する1つの指標になるということでした。経済学の裏側に潜む事象の背景を探る 一方、私自身は、女性労働についての研究を専門にしていますが、現在進めている研究テーマの1つに「なぜ女性の管理職比率が低いのか?」というものがあります。 この課題に対して「そもそも女性は本人の選択で管理職にならないから、問題はない」という結論に至るのが、一般的な経済学の考え方です。確かにアンケート調査を行うと、「管理職になりたい」と答える人の比率は、女性の方が低いのですが、私の研究では、色々な人にインタビューを行い、人事制度や年金制度などが女性労働者の意思や行動にどんなインパクトを与えるかを見ていきます。つまり「女性が管理職を希望しなくなるそもそもの要因」を探求していくのです。このような研究の結果は、持続可能な働き方の実現に様々な示唆を与えます。人々の働き方が多様化していく中、社会に貢献できる部分は大きいと考えます。Profile金井 郁[かない かおる]人文社会科学研究科 准教授1999年東京女子大学文理学部卒業2004年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修士課程修了2008年東京大学大学院新領域創成科学研究科博士後期課程単位取得退学2009年埼玉大学経済学部講師を経て、現職2011年博士(国際協力学)取得6SAIDAI CONCIERGE
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