SAIDAI CONCIERGE vol.27
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誰もが生き生きと働き学べる環境の実現に向けてできること現在、埼玉大学では、女性の教員・職員が、その能力を発揮できる環境づくりを全学を挙げて推進しています。今回はこの取組みにおいて中心的な役割を果たしている「埼玉大学男女共同参画室※1・2」室長の堀田香織埼玉大学副学長と「ダイバーシティ推進オフィス」のコーディネーターを務める幅崎麻紀子准教授の対談を実施。取り組みの内容や目指していることなどについて語っていただきました。女性が活躍できる環境づくりを加速させるために堀田副学長(以下、敬称略) 現在埼玉大学の女性教員は全体の17%しかいません。これでは胸をはって男女平等とは言えません。我々は女性が働きやすく、学びやすい大学をつくろうとしています。まず女性教職員の数を増やし、大学をリードする役職につく女性も増やしたいです。子育てや介護を担う女性が働きやすい環境をつくりたいですし、男性と女性の「かくあるべき」といった固定的な考え方を無くしたいです。これらは女性のためだけに行っているわけではありません。例えば、女性が子育てや介護をしながら働きやすい環境は、男性にとっても子育てや介護に参加しやすい、つまりワークライフバランスがとりやすい環境だからです。幅崎准教授(以下、敬称略) この取り組みは誰もが働きやすい環境をつくるということですね。堀田 その通りです。さらに2017年埼玉大学は文部科学省の事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ※3・4」に選ばれました。そして、男女共同参画室の中に「ダイバーシティ推進オフィス」ができたのです。埼玉県と連携して「彩の国女性研究者ネットワーク※5」を立ち上げるなど、学内外のダイバーシティ研究環境を実現する取組も進めています。今回、幅崎先生に、この推進オフィスのコーディネーターに就任していただいた訳ですが、埼玉大学の印象はいかがですか?幅崎 私は埼玉大学の卒業生ですが、久しぶりにキャンパスを歩くと、以前に比べ、女子学生や若い女性研究者が増え、キャンパスが明るくなったように感じます。これまでの男女共同参画室の取り組みで、女性が増えたのでしょうか。堀田 確かにここ数年、女子学生も女性教員の数も上昇傾向にありますが、まだまだその数は世界的な水準に達していないのが現実です。そこで、ダイバーシティ推進オフィスを設置して、この流れを加速させていこうということなのですが、具体的な目標として、女性教員採用比率を人文社会系部局においては40%、教員養成系部局においては30%、自然科学系部局においては20%以上に、また、女性事務職員の採用比率を50%とすることを掲げています。幅崎 この数字を実現するのは大変です。大学が一丸となって、目標達成に向けてアクションをおこしていかなくてはなりません。その1つとして、来年度の採用の中で、女性限定の公募が行われます。このような取り組みの実施には、学内の理解が欠かせませんが、幅崎 麻紀子(はばざき まきこ)ダイバーシティ推進オフィス准教授。1990年埼玉大学教養学部卒業。筑波大学、電気通信大学などのダイバーシティ推進室准教授を経て、2018年より現職。埼玉大学は女性の活躍を応援します!Special Feature巻頭特集特別対談堀田香織副学長 × 幅崎麻紀子准教授1SAIDAI CONCIERGE

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