SAIDAI CONCIERGE vol.27
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Welcome to my laboratory経済学部 メジャー:国際ビジネスと社会発展/川端研究室グローバル時代のマーケティング―その課題と解決策を考察する多様なフィールドで深い学びを得る ゼミでは、国内外を問わずグローバル展開している企業や新しいビジネスモデルを調べる事例研究が中心になりますが、来年度からは企業のインタビューなども実施する予定です。 さらに、昨年はマーケティングによって社会課題の解決を図るべく、「『知財を活用した商品アイデア創出事業』in 埼玉」というコンテストにも参加。富士通の開放特許「芳香発散技術」を活用し、集中力が高まる香り付きの単語帳を提案して、最優秀賞を受賞することができました。このように座学だけでなく、フィールドワークや実践的な活動にも力をいれています。“内なる国際化”を実現するゼミ環境 埼玉大学経済学部では、パリ第7大学と埼玉大学の両方の大学で学べば、経済学士号と応用言語学士号の学位が取得できるダブルディグリー・プログラム協定を締結しています。 このプログラムを利用した留学生を定期的に受け入れていることに加え、留学先から帰国する日本人学生もいるので、当ゼミは常に国際色豊かな雰囲気にあふれています。 英語で話す機会も自然と増えますし、このような“内なる国際化”によって、多様な学生との交流ができるのも魅力の1つだと考えています。message川端准教授より受験生へ国内市場と海外市場で異なるマーケティング戦略の最適解 近年、市場のグローバル化が急速に進行していますが、言語や時差、文化、商習慣などの違いによって、海外でマーケティングを行う際にどのような課題があるのかを考察する国際マーケティング論を受け持っています。 その中でも、私が個人的に進めているのは、小売業に焦点をあてた研究。現在は、海外向けにインターネット通販で商品を販売する「越境EC」やインドネシアにおける日本のコンビニエンスストアの動向といったテーマに取り組んでいます。また、研究対象は日本企業だけとは限りません。例えば、いま欧米ではドイツ系のアルディとリドルというボックスストア(梱包箱のまま商品を販売するスーパーのこと)チェーンが勢いづいています。これらのチェーンは、今後日本にも参入することが考えられますので、今のうちから研究しておくことで、対策を講じる日本企業の役に立てるのです。低迷が続く日本経済復活に貢献? 国際マーケティングの研究で難しいところは、状況が変化し続けるという点。そのため、研究に終わりはなく、継続的に取り組むことが必要になります。 研究を進めるには、企業へのインタビューや文献を調べるのはもちろん、現地調査も必要不可欠です。さらに今後起こりそうなトレンドや新たな動きを一足先に捉えるため、アンテナをはっておくことも重要。海外に定期的に訪れ、調査を行うようにしているのは、これが理由です。 例えばイケアやコストコのような、それまで日本になかった新業態の小売店舗に行くと、日本の店舗との違い、もしくはなぜ成功しているのか?ということに興味が沸いてきます。研究を続けるモチベーションの1つには、それを解き明かしたいという探究心があるのは間違いありません。 また、研究から導き出した結果は、日本企業の国際進出が成功するためのマーケティング戦略立案のヒントにもなります。つまり、現在、少々活力を失っている日本経済の発展に貢献する―そのようなことを考えながら研究に取り組んでいるのです。Profile川端 庸子[かわばた やすこ]経済学部 准教授2000年 明治大学経営学部経営学科卒業2005年 阪南大学専任講師2006年 明治大学経営学研究科経営学博士課程修了2008年 阪南大学経営情報学部准教授2014年 阪南大学経営情報学部教授2016年より現職6SAIDAI CONCIERGE

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