附属病院医学部031SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY LEAP 2026Mikuni Nobuhiro三國 信啓石川 亜貴Ishikawa Aki脳機能センター教授ゲノム医療推進センター 委員札幌医科大学医学部 ゲノム予防医学講座 臨床ゲノム学分野 講師スポーツ医学センター/ブレストセンター/ゲノム医療推進センター/心臓血管センター/腫瘍診療センター/肝疾患センター/先端聴覚医療センター/脳機能センター/内視鏡センター/消化器センター/慢性疼痛センター/敗血症治療センター/GIDクリニック/認知症疾患医療センター/炎症性腸疾患センター 札幌医科大学脳機能センターは「患者さんの脳機能を守る」ことを目的とした疾患横断的かつ包括的医療チームです。脳神経外科、神経内科、小児科、神経精神科、リハビリテーション科、神経科学講座の医師と、検査部技師、臨床工学技士、薬剤師、そして看護師から構成されています。対象となる疾患はてんかん、脳腫瘍(特に神経膠腫;グリオーマ)、パーキンソン病・不随意運動、本態性振戦、頭部外傷、脳卒中と多様です。 道内から特にご紹介の多い患者さんについての情報をお知らせします。脳腫瘍に対する覚醒下腫瘍摘出(写真)では「安全かつ最大限の摘出」を目的としており、国内有数の治療実績があります。パーキンソン病・本態性振戦には脳深部刺激や経頭蓋MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)を関連病院とも連携して行っています。てんかんに関しては、北海道てんかん地域診療連携体制整備事業診療拠点病院(ポスター)、全国てんかんセンター、包括的てんかん専門医療施設に認定されており、遠隔地との脳波診断や診療連携を積極的に進めています。てんかんかどうかの長時間脳波による診断から、てんかん専門医による治療アドバイス、そしててんかん外科治療までを行うことができます。 2003年にヒトゲノムの92%の配列が解読され、2022年には完全解読に成功しました。この間にゲノム医学の成果は目覚ましく発展し、今は難病やがんの原因として、生まれ持った細胞のゲノムの特徴や、環境や加齢の影響による細胞のゲノムの変化が関連していること、そしてそのゲノム情報が治療法の選択にも役立つことがわかってきています。今後さらに、ゲノム医療の研究開発が進み、みなさんのもとに提供できる体制が整えば、より個人に適した診断法や治療法が普及することが期待されます。 このようなゲノム医療を推進していくために、令和5年4月に札幌医科大学附属病院では「ゲノム医療推進センター」を設置しました。ゲノム医療は、難病やがんなどのさまざまな領域の疾患が対象となり、すべての診療科が関係してきます。各部門とのコーディネートの役割となる遺伝医療部門をはじめ、がんゲノム部門、難病ゲノム部門、生殖・周産期部門、生体試料・情報管理部門、研究開発部門、人材育成部門、その他関係する看護部、薬剤部、医療連携福祉センター、医療安全部など、院内の各部門が連携・協働しています。 将来的には、ゲノム医療が進むことで、病気を発症する前に個人の体質を把握し、その体質にあった適切な健康管理を行える時代が訪れるかもしれません。どのような時代にあっても、患者さんやご家族が安心してゲノム医療の恩恵を受けられるように、ゲノム医療を提供できる体制をハード面、ソフト面ともに整えて準備しています。診療系センター一覧脳機能センターゲノム医療推進センター遺伝カウンセリングロールプレイ演習がんゲノムエキスパートパネル
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