札幌医科大学 大学案内 LEAP 2026
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学びの特徴・教員研究紹介保健医療学部053作業療法学科助教齊藤 秀和Saito HidekazuSAPPORO MEDICAL UNIVERSITY LEAP 2026中村 眞理子作業療法学科教授Nakamura Mariko目指す幅広い知識と実践力生涯を通じ学ぶ姿勢を注意における行動・機能面の特徴を解明するために 作業療法(occupational therapy)は、「こころ」と「からだ」のリハビリテーションです。乳幼児から高齢者まで、生活に障害を持つ方、予防的対応も含め、幅広い方々を対象とし、日常生活の様々な動作や仕事、遊びなど人に関わるすべての諸活動を「作業」と呼び、治療や支援の手段としています。 本学科では、臨床現場で信頼される作業療法士、研究マインドを持った作業療法士の育成を目指しており、医学的な知識に基づき障害を分析し、機能改善や生活支援が出来る幅広い知識と実践力を身につけるためのカリキュラムが構成されています。 4年間学びを重ねますが、各学年に配置された臨床実習で、4年間で作業療法のすべての領域の実習を経験し座学と実践の両輪で科学的根拠に基づいた支援の計画や実践の力をつけます。卒業研究への取り組みは、学際的な知識と問題解決に向けた研究マインドを形成します。また、一般教育科目を学ぶことで様々な学問領域に触れ、人々の生活を支援し心身両面にアプローチする作業療法士にとって不可欠な人間的奥行きを形成できることも、大学教育の特徴といえます。 本学科の、臨床現場で信頼される・研究マインドをもった作業療法士の育成は、多くの卒業生が医療・福祉の現場で指導的な役割を担っていることに繋がっています。 作業療法士は、人々の生活を科学する、やりがいのある専門職です。本学で学び、作業療法の魅力を実感し、生涯を通じ学ぶ姿勢を身につけていただきたいと思います。 みなさんはスーパーへ買い物に行った際、多くの商品の中からどのように目的の商品を探していますか?多くの商品に目を向けたり、商品の特徴を元に探したり、様々な部分に対して“注意”を向けていると思います。このように日常生活において、様々な場面で“注意”が利用されており、この能力を“注意機能”と呼んでいます。脳卒中などの脳の病気が原因で、“注意機能”に障害が生じることがあり、作業療法を含むリハビリテーションを行う上で重要な要素の一つとなっています。例えば、左右いずれかの方向に注意を向けることが難しくなる“半側空間無視”という症状は、左右への“注意機能”が十分に働かなくなる事で出現する症状の一つだと考えられています。 私たちの研究グループでは“注意機能”、特に何かを見る行動における注意機能に着目して研究を行っています。ヒトが何かに注意を向ける際にどのような行動上の特徴があるのか、注意を向ける際の視線の動きや脳活動がどのように変化しているのかについて、研究を進めています。研究では、アイトラッカーと呼ばれる視線計測装置や脳波計などの脳機能計測装置など、様々な機器を使用しており、“注意機能”に対する新たな検査方法の開発や治療方法の確立を目指しています。に付けるだけではなく、自らが主体的に問題点をみつけて科学的かつ創造的に解決する能力を育み、自己研鑽の姿勢を養う環境があることも大きな特色です。このような教育を受けた卒業生が保健医療学分野の指導的な役割を担い、社会や地域のニーズに応えうる臨床能力を備えた理学療法士、さらにリサーチマインドを有する医療人として活躍しています。 医療現場でのリハビリテーションにとどまらず、行政や教育機関、研究センター、企業など多種多様な分野でスペシャリストとして活躍する多くの卒業生と連携をもち、大学院博士課程、附属病院が併設されている本学で学び、将来のキャリアをデザインしてみませんか。蓄積すること、さらにそのエビデンスの社会実装することで、有効な対策樹立に役立てることを目指しています。現在、世の中には、様々なヘルスデータが溢れ、集められています。しかし、データサイエンスの技術だけでは、真に必要な健康課題にたどり着けない可能性があり、医療にかかわる専門職の視点と感性が必要です。我々は、理学療法学とデータサイエンスの融合を目指し、研究活動を行っています。また、国立研究開発法人との共同研究を通して、多様な研究成果の発信や人材育成にも取り組んでいます。学びの特徴教員研究紹介

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