神経難病研究センターは、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など神経変性疾患の病因・病態解明に基づく診断・治療法の開発とその臨床応用などを通じ、神経難病の克服に資する研究を推進しています。平成元年に設置された分子神経生物学研究センターを前身とし、分子神経科学研究センターと改称後、平成28年の改組により、基礎研究ユニット(分子神経病理学部門、MR医学研究部門)、橋渡し研究ユニット(神経診断治療学部門、国際共同研究部門)、臨床研究ユニット(脳神経内科学部門)の構成となり、基礎と臨床を融合した研究センターとして生まれ変わりました。高齢化を迎えている本邦では、認知症をはじめとする疾患により医療や介護を要する高齢者の数が増加の一途をたどっています。神経難病研究は、本学の最も強みとする研究分野であり、当センターは分子レベルでの解析からモデル動物を用いた解析まで国際的な最先端研究を行うとともに、地域連携の強化や産学官連携の推進を通し、地域に貢献し国内外で広く活躍できる研究リーダーや専門医の育成に取り組んでいます。 動物実験を実施するための中心的機能を果たす学内教育研究施設です。マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ブタ、サル類などが、いずれも国際的基準に則った適切な環境下で飼育されています。マウス、ラットおよびサル類の感染実験施設があること、学内外との大規模な共同研究が可能なサル類の実験施設があることが特徴です。世界的にも希有なカニクイザルの人工繁殖技術を保有し、微生物学的ならびに遺伝学的に統御された個体の作出が可能です。この技術をもとに、緑色蛍光タンパク質GFPを全身で発現する遺伝子改変カニクイザルの作出に成功し、現在さらに神経難病、がん、生活習慣病などのヒト病態モデルザルの作出に取り組んでいます。また移植免疫寛容型の個体が計画的に産出され、iPS細胞等を用いる再生医療の前臨床試験などに広く利用されています。その他に認知症モデルサルの作製、神経難病モデルカニクイザルの作製、眼科領域の再生医療の前臨床試験などが行われています。これらの実験は動物に関する特殊技能を持った動物生命科学研究センターの職員によって支えられています。 NCD疫学研究センター(旧アジア疫学研究センター)は、我が国初の「疫学研究拠点」として2013年に開設されました。大規模な疫学調査に対応可能なデータ管理機能・バイオバンク機能・リサーチクリニック機能を兼ね備えています。心臓病・脳卒中などの循環器病、およびその危険因子である糖尿病・高血圧、さらに、認知症など、非感染性疾患(NCD)の増加は、わが国および世界において深刻な健康問題になっています。本センターはわが国の疫学研究教育の拠点となり、非感染性疾患(NCD)の予防に関する最先端の疫学研究、国際共同疫学研究を推進しています。現在、国民代表集団の追跡研究NIPPON DATA、滋賀動脈硬化疫学研究(SESSA)、滋賀県循環器病登録研究、高島研究、国際共同研究INTERMAPなどの研究を進めています。 国際共同研究はロンドン大学、ピッツバーグ大学、ハワイ大学、ノースウェスタン大学などの研究機関と行っています。また、研究成果は国の政策立案や学会ガイドライン作成にも活用されています。神経難病研究センター動物生命科学研究センターNCD疫学研究センター30施設案内
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