滋賀医科大学 大学案内 2023
5/44

国立大学法人滋賀医科大学長上 本 伸 二 滋賀医科大学は「地域に支えられ、地域に貢献し、世界に羽ばたく大学」として、全人的医療・看護を行う優れた医療人の育成、特色ある医学・看護学研究、質の高い医療を実践しています。地域・国・世界の医学・医療を担う高い志を持った人材、リサーチ・マインドをもったclinical scientist、豊富な知識・教養と高い倫理観を備えた次世代のリーダーを育成するための教育を実施しており、特に医学教育については、世界医学教育連盟(WFME)の国際基準に準拠した教育を実施しています。 医学科では、幅広い教養と十分な専門知識、高い臨床技術を習得するために、基礎学(教養教育)、基礎医学、臨床医学の3つの課程を修得し、Student Doctorとして附属病院と関連病院で診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)を行います。医学研究者を志す学生のために、早期に研究に着手して博士号を取得できる研究医養成コースも設けています。また、2020年度入学者から「地域医療枠」「地元医療枠」を設けるとともに、地域医療重点コースを開設し、地域医療のプロフェッショナルを養成しています。 看護学科では、幅広い人間性と、看護職に必要な学識・能力・技能を修得するため、教養科目と専門科目(基礎および臨床看護学)を有機的に統合した独自のカリキュラムを整備し、医学科との合同授業や専門科目における学習の積み重ねを重視した教育、充実した看護学実習を行っています。第3学年からは、保健師課程(30名)と助産師課程(8名程度)の教育課程を選択することもできます(選抜試験があります)。加えて2019年度には、看護学科に訪問看護教育のための「地域医療実践力育成コース」を開設したほか、大学院医学系研究科修士課程看護学専攻に「高度実践コース(特定行為領域)」を開設して、学位取得を目指しながら特定行為研修を受講できる教育プログラムを構築しました。 両学科とも、早い段階から医療現場を経験し、自分の将来像を描く機会として、第1学年から本学附属病院にて体験実習を行っています。また、在学中に一定期間、海外で研究活動や臨床研修を行う機会を設けており、今はコロナ禍のために実施しておりませんが、海外の協定校へ多くの学生を派遣し、グローバルな視点を養っています。さらには、本学卒業生と地域住民の方々に滋賀医科大学の医学生と看護学生を支援していただく、「地域『里親』学生支援事業」があり、里親・プチ里親と学生の双方に大変好評です。 医学生、看護学生は、ともに医療の分野での活躍を目指して学んでいるため、学生間の結束が強く、多くの体育系、文化系の課外活動を合同で行っています。現在はコロナ禍で活動を縮小しておりますが、日常的なクラブ・サークル活動のほか、春の浜松医科大学との交流会、夏の西日本医科学生総合体育大会、秋の学園祭(若鮎祭)や学外との様々な交流を通じて、多くの学生が課外活動を楽しんでいます。将来、皆さんが働くことになる医療の現場では、チーム医療が欠かせません。課外活動を通して培った仲間との貴重な経験が、医療の現場でも活かされると思います。 また、本学の診療については、附属病院において手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」やハイブリッド手術室などの先進的な設備を備え、広域の救急医療、急性期医療にも対応しており、高度医療を提供する「信頼される大学病院」として高い評価を得ています。研究活動についても、アルツハイマー病を中心とする神経難病に関する研究、サルを用いた医学研究、非感染性疾患などに関する疫学研究、がん研究などの独創的な研究が活発に行われ、それぞれ成果を挙げています。 本学は、琵琶湖をはじめとする豊かな自然と数々の歴史・文化資産に恵まれた環境の中にあり、多くの優れた医療人を輩出してきました。病気などで苦しむ人々のために働き、これからの医学・医療を担って、健康な社会づくりに貢献しようとする意欲ある皆さんの入学をお待ちしています。4学長からのメッセージ優れた医療人の育成、特色ある医学・看護学研究、先進的な医療の実践を目指して。

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る