滋賀医科大学 大学案内 2023
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│在│学│生│の│声│7 第2学年の前期から解剖実習が始まります。解剖学は、医学の根幹をなす学問であり、解剖実習は、将来医師となる学生が人体の構造と生命の尊厳について学ぶことのできる大変貴重な機会です。本学では、献体受入からご遺骨の返還までを学生自らが行います。ご献体くださった故人お一人おひとりを、お迎えする献体受入式では、故人のご遺志や励ましのお言葉をご遺族からいただき、学生は自身の理想の医師像に思いを馳 毎年秋には、医学科第1・2学年と看護学科第1学年の学生が全員参列し、解剖体慰霊式が執り行われ、系統解剖・病理解剖・法医解剖に供された故人を追悼します。学生は解剖体慰霊式へ参加することにより、故人やそのご遺族の崇高なご意志に対して畏敬の念を抱くとともに、生命の尊厳について学びます。また、毎年春には、前年度に解剖実習を行った医学科第3学年の学生が参列し、滋賀県の比叡山延暦寺阿弥陀堂にて、納骨慰霊法要が執り行われます。法要後は比叡山横川の納骨堂にて、学生自らの手により納骨させていただきます。医学専門課程の第一歩を踏み出した学生にとって、納骨慰霊法要は、ご献体くださった故人の御霊に感謝と哀悼の意を捧げる機会であると同時に、将来の医師としての責任を自覚し、医の道に邁進する決意を新たにする場となっています。せながら、真摯な気持ちで解剖実習に臨むことになります。また、解剖学修了後の納骨慰霊法要では、お世話になった故人のご遺骨をご遺族にお返しします。故人とご遺族の思い、ひいては社会の皆様の医師や医療に対する思いを肌で感じる機会を設け、医学生が医療人としてのあるべき姿を追求しつつ、良き医師へと成長するために必要な倫理観を涵養していきます。VOICE 第2学年では解剖実習、献体受入式など今までの生活では経験しなかったような非日常がやってきます。正直、人の生死がこれほどにまで身近にあるのかと戸惑いました。解剖実習ではご献体の隅から隅までを絶対に見逃してはならない、そんな思いが頭から離れなかったのを覚えています。一番印象に残ったのは解剖実習初日にご献体を持ち上げたとき、すごく重たかったことです。それは人の命を預かる医療人の使命の重さのように感じられました。 このときから医学にはただならぬ命の重みがあるように感じています。今は基礎医学を学んでいますが、あのとき感じたことを思い出すと真剣にならざるをえません。医学科 第3学年 唐鎌 克真国立大阪教育大学附属高等学校平野校舎出身倫理教育(献体関連)解剖体慰霊式・納骨慰霊法要確固たる倫理観を育む教育医学倫理の基礎となる解剖実習

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