COLLABORATION PROJECTデータ加工技術についての教材を共同開発。2017年に連携協力の協定を締結し、共同でビックデータの加工技術の体系化と社内教育・学生向けの教材作成に取り組みました。内容としては、ビックデータに関する技術の中でも、分析の精度を高める「データ研磨」の重要性が増していることに着目。データリテラシーや、難易度別に初級編・中級編スキルを習得できるカリキュラムを開発しました。先行して帝国データバンクの社内教育で実施し、2018年秋には本学部の授業でも活用。カリキュラムに帝国データバンクの実績・ノウハウが加わることで、データ研磨分野の体系化をめざすとともに、学生も実践的な内容を学ぶことが可能となりました。トヨタグループのエンジニア向け研修プログラムを実施。トヨタグループは製造現場などで取得できるビックデータの活用手法の研究を通して、データ分析の指導者となる人材の育成をめざしています。そこで、講師として本学部の教員を派遣し、トヨタグループのエンジニアに向けた研修プログラムを実施しました。2017年5月から翌年3月まで月一回開催された「2017年度機械学習実践道場」では、講義や分析手法のプログラミング演習のほか、受講者がそれぞれに持ち寄った課題に対する分析手法の指導を行うことで、活発な議論が行われました。ここでの知見が社員から社会へ、そして教員から学生へ還元される価値ある事例となりました。健康寿命を延ばすための環境要因をデータ分析。1990年代後半からデータ分析を専門に手がける組織を発足していた大阪ガス。現在はビジネスアナリシスセンターと呼ばれ、ガス消費量や顧客の問い合わせ内容からガス機器の故障内容を予測するなどの業務を行っています。今回の共同研究では、ガス機器の高品質化に向けて、故障をより早く発見するための異常探知モデルの開発を行っています。大阪ガスではこれまでにもさまざまな機械学習手法を用いて開発に取り組んできましたが、実用レベルにまで精度を向上させるためのロジック開発研究を本学部とともに実施し、より安全・安心な生活の構築をめざします。機器異常を早期発見する探知モデルを研究。滋賀県の委託を受け、2017年から健康寿命延伸のためのデータ活用に関する分析・研究を開始しました。県と市町における、健康・医療・介護に関するデータや経済状況を分析したところ、滋賀県の長寿要因として、男性はウォーキングや趣味を楽しんでいること、女性はボランティア活動などを積極的に行っていること、男女ともに喫煙や過度の飲酒が少ないことなどが判明しました。このような分析は、全国における県の位置づけや強み・弱みを把握することができ、滋賀県はもちろん全国の健康政策にも役立つもので、全国の自治体のベンチマーク事例になることも期待されます。14
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