滋賀大学 データサイエンス学部
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竹村 日本初のデータサイエンス学部で1期生として学んでみて、どう感じていますか。河地 プログラミングの授業が新鮮で、データサイエンスを学んでいるという実感がありますね。藤山 高校時代、理系クラスで男子が大半でしたが、データサイエンス学部は女子が多くてうれしいです。山下 私は文系なので数学系科目では少し苦戦しつつも、先生が丁寧に教えてくださるし、理系出身の友人もフォローしてくれて助かっています。竹村 データサイエンスでは、もちろん理系的素養が必要です。しかし、データの分析・活用の発想には文系的素養も欠かせません。日本の社会では、理系は研究、文系は営業や経営とすみ分けをしてしまいがちですが、データの活用が世界的にも最重要課題となった今、この文理分断が日本の弱点になっています。だからこそ、データサイエンス学部は「文理融合」で両方できる人材を育成しているのです。それと、私は長年、統計学をはじめ数学を研究していますが、未だ分からないことも多い。教科書を全部覚える、満点を取るのではなく、目標や問題解決に必要な要素をどれだけ理解しているかが大切だと思います。山下 そういっていただけると安心です。河地 データサイエンスに関わる文系科目も多いですよね。山下 リサーチについて学ぶ社会調査法は回答者の心理を掘り下げていくので、文系の私にとっては興味深いです。藤山 人の心は数字では割り切れないので、どこまでも追求できるし、データを通してさまざまに読み解いていけますね。河地 実際にデータを分析しているデータサイエンティストの方、データを活用している企業の方が話をしてくださる授業もいいですよね。データサイエンスのリアルが見えて、すごく刺激を受けています。山下 私はマーケティングに興味があるので、リサーチ会社の方の話がひびきました。授業を受けてからは、ニュースなどで目にするリサーチについて、調査対象や結果を示すグラフは正確か、より深く見て、捉えるようになりました。藤山 私は将来進む道を学びながら決めようと思っていたので、いろいろな企業の話をうかがえるのはありがたいです。この業界ではこんなふうにデータが活用されているんだということが分かって、将来の選択肢が増えてきました。竹村 データサイエンス学部は産学連携にも重点を置いています。データ分析・活用できる人材はどこも今すぐ必要で、すぐに力を発揮してほしいわけです。そのためにはリアルなデータを用いて、実務的に勉強しなければ通用しません。みなさんからすると、数式の勉強ばかりではつらいでしょう。理論が現実にどうつながっているか、1期生ということで将来のロールモデルが見えることが学びの意欲向上などにも重要なので、連携にあたっては100以上の企業・自治体を回って依頼しました。今は企業側から来校し、講義を行ってくれますね。河地 ここまでいろいろな企業の方が来てくださり、授業がたくさんあるなんて驚きでした。藤山 竹村先生のおかげだったとは!ありがとうございます。河地 インターンの募集も多いですよね。僕は製造会社に行きました。製品や製造ラインの特性分析、故障分析などデータがさまざまに活用できることを知り、視野が広がりました。それと、単に分析するのではなく、問題点を見つけてアプローチし、どう解決するかを考えることも必要だなと。藤山 私もそれを感じました。金融企業のデータ分析部門に行ったのですが、全社を挙げてデータを重視していて、その活用方法や改善点を理系知識のない人にも分かりやすく伝える実習をさせてもらいました。プレゼン力やコミュニケーション力も、もっと磨く必要があるなと思いましたね。山下 データサイエンス学部にはプレゼンテーションの授業があるし、そういった現場のニーズからも文理融合の学びがアドバンテージになりますね。竹村 データサイエンティストとして、みなさんに対する社会の期待値は非常に高く、活躍の場もどんどん広がっています。私としては企業などとさらに強固な絆を築いて、みなさんが活躍できるチャンスをさらに増やしていくつもりです。また、AIやIoTといった新たな分野でのデータ活用をはじめ、時代の流れでデータの在り様はどんどん変わっていく。教員も勉強しながら、日本初のデータサイエンス学部として他大学や社会をリードしたいと考えています。目標は「データサイエンスといえば滋賀大学」と社会にも受験生にも定着すること。大学の格付けなどにとらわれず、ここで「最先端」を学んで、今までにない新たな価値をデータから見出してほしいと思います。山下 先生方が将来につながる機会をたくさん作ってくださったり、大学とは思えないほど親身に熱意を持って教えてくださったり、学ぶ環境は抜群です。河地 それに学生同士も先生とも距離が近い。こうして学部長先生と気軽に話しているのも学部のアットホームさの証ですよね。藤山 先生方の思いにも応え、日本初のデータサイエンス学部出身者として社会で活躍できるよう、これからもがんばっていきます!文理融合の学びが未来を創る。さるンスけてあるのではなく、問題点を見つけてアプローチし、どう解決するかを考えることも必06

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