滋賀大学 教育学部
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学校教育教員養成課程ガイダンス19こどもの心がわかる先生になろう教育心理実践専攻|初等教育コース子どもの心がわかる学校の先生は、子どもに好かれます。保護者や同僚の先生からも信頼が得られます。それでは、どうしたらそうなれるのでしょうか。心と行動を「素朴」に見ない目人はみな、「素朴な心理学者」と言われます。誰でもが一定の年齢になれば、「あの人はこういう性格だろう」、「あの人はこう思っているだろう」と推し量ることができるように思えるからです。でも「素朴な」と言われるように、それは決して正確ではありません。心は目に見えないので、それが正しくないことがわかりにくいだけなのです。たとえばいじめをする子は「心が意地悪だから」でしょうか。そうした、なんでも心のせいにしてしまう、私たち人間一般の傾向をとらえて、ある研究者は「心でっかち」と評しています。心理学を専門に学ぶことで、心のせいにするだけでない考え方ができるようになります。いじめ行動の場合、1:その子の年齢特有の心や行動の特徴2:相手の子とのそれまでの人間関係3:その子と相手の子のクラス内での評判や立ち位置4:その子が学校や家庭で感じている日常的なストレス5:ストレスを感じたときのその子の反応パターンなど多面的な目で原因や対策が考えられるようになります。子どもたちの成長の進み方を知る学校や教育を対象とした心理学の両輪は「学習」と「発達」を理解することです。「学習」とは「経験によってできるようになること」、「発達」とは「年齢を重ねて変化していくこと」です。このように、子どもの心を心理学的な側面からとらえることで、現代の子どもをめぐる困難な問題を解決するための、臨床的まなざしに根ざした実践的な対応力が身につきます。特定の教科を教えたい!という気持ちで先生を目指す人たちにとっても、子ども達の心の育ちを支援する力は、素敵な先生になるうえで大きな「強み」になるはずです。一緒に4年間、教育心理学を学んで、子どもに「さすがだなあ」と思われる先生を目指してみませんか。

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