学校教育教員養成課程ガイダンス21滋賀から問う環境問題環境教育専攻|初等教育コース環境問題のいま地球温暖化、エネルギー資源・水・食料の不足、経済格差による貧困など地球環境や社会情勢の深刻化。このような地球の危機を打破するため、2015年の国連総会で「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられました。環境問題だけでなく、貧困や飢餓、経済成長やジェンダーに至る広範な課題を網羅し、豊かさを追求しながら地球環境を守り、人々が人間らしく暮らしていくための社会的基盤を2030年までに達成することが目標です。滋賀に目を向けると私たちの住んでいる地域も、解決の難しい環境問題を抱えています。琵琶湖では富栄養化による水質悪化や、ニゴロブナ・ホンモロコなど在来種の減少が起きました。美しい琵琶湖をどう保全し将来に残していくか、みなが議論し、知恵を出し合うことが求められています。また、食料問題やごみ問題など、私たちの暮らしと密接に関わる問題もあります。 地球規模の環境問題、地域の環境問題は深刻さの度合いを深めています。環境への負荷が少なく、持続可能な社会を構築するためには、様々な機会を通じて環境問題について学習し、自主的・積極的に環境保全活動に取り組んでいくことが大切であり、特に未来を担う子どもたちへの環境教育は極めて重要です。体験に基づく学びを身近な自然や生活の中で自分と環境の関わりに「気付き、理解し、行動を起こせる」児童を育てるには、環境についての知識を学ばせるだけでなく、活動や体験を通して、人や自然・社会との関わりに関心を持たせることが大切です。特に滋賀県では、県内全ての小学校5年生が湖上体験学習を実践するびわ湖フローティングスクール「うみのこ」、小学校4年生を対象とした森林環境学習「やまのこ」、農業への関心を高め、食料や生き物の大切さを学ぶ農業体験学習「たんぼのこ」など、滋賀の豊かな地域資源を活用した体験に基づく学びが盛んに行われています。 環境教育専攻では、環境に関する広く体系的な知識を身につけた上で、大学の保有する調査船(清流Ⅲ)や農場を活用して、琵琶湖の調査や栽培活動、地域の子どもへの教育実践を行います。これらを通して、体験活動の企画、十分な準備、児童の安全を確保しながら環境教育としての狙いを達成できるような実践指導、実践を評価・改善できる力を身につけた人材を育成します。琵琶湖はじめとする豊かな地域資源を有する滋賀のキャンパスで、環境教育の学習と研究、そして実践活動に私たちと一緒に取り組んでみませんか。
元のページ ../index.html#21