滋賀大学 教育学部
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愛知郡大萩村耕地絵図 他学校教育教員養成課程ガイダンス24諸資料で多角的にみる皆さんは図書館に行ったことはありますか。図書館にある本を教科に分けたとき、半分以上が社会科に分類されることに気づいているでしょうか。歴史学、地理学、法律学、政治学、経済学、社会学、哲学、倫理学、宗教学など多くの分野が社会科に含まれます。つまり、社会科は現代社会の中で、重要な分野を最も幅広く含んだ教科であると言えます。 社会は決して暗記科目ではありません。過去が、風土が、法令が、世界情勢が、思想が、それぞれ今を生きる私たちにどう関わるのかを考える学問なのです。 たとえば、日韓の間で課題となっている「竹島」という一つの島にしても、古文書から歴史的経緯を探る、地形や広さを探る、国際法的にどう位置づけられるか考える、島のもつ経済的影響を考える、そして日韓の感情の背景を考えるなど、さまざまなアプローチがあります。このように、いろいろな材料から事実を明らかにする訓練をし、いろいろな分野の考え方を知ることによって、社会人として、職業人としての基礎が形作られていきます。 教員の卵として、社会科分野の学問の基礎を学ぶことは、科目としての社会科のみでなく、総合学習の時間、そして子どもたちと社会との関わりなど、さまざまな場面できっと役立つことでしょう。皆さんは定規とコンパスを使って角を2等分することはできますね。では、3等分することはどうですか。じつは、任意の角を3等分する問題は2000年余り前のギリシャで提出され、いろいろな人が解決しようと頑張ってきました。ようやく19世紀になって、加減乗除の仕組みを違った視点から見直すことによって、定規とコンパスだけでは角を3等分できないことが示されました。そしてそのときに考案されたアイデアは、さらに発展して、たとえば火星から映像を地球に送る通信技術に使われています。 数学は自然の不思議を解明するための道具であるとともに、それ自体、複雑で面白い構造を持っており、社会の中でも思いがけないところで役に立っています。そんな数学の魅力を子どもたちに伝えることができれば、素敵なことだと思いませんか。現実には、小・中・高と学年が進むにつれて算数・数学嫌いの児童・生徒は増える傾向にあります。こうした長年の問題に立ち向かうためには、教師は「子どもたちは算数・数学をどのように理解していくのか」あるいは、「子どもたちはどこで、どのようにつまずくのか」など、児童・生徒の実態を十分に把握する力が必要です。算数専修・数学専攻では一人ひとりの子どもを前にして、少しでもその子の算数・数学の力を伸ばそうと頑張れる、そんな教師の養成をめざしています。数・図形・関数の世界に遊ぶ算数専修/数学専攻初等教育コース初等教科専攻/中等教育コース社会専修/社会専攻初等教育コース初等教科専攻/中等教育コース

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