滋賀大学 教育学部
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学校教育教員養成課程ガイダンス27最も初期の人類が作った道具は、東アフリカで発見された打製石器です。彼らは石器を用いて、食物を採集・調理し、衣服や住居をつくりました。以後人類は、試行錯誤をくりかえし、さまざまな技術を獲得しました。現代の急速な科学技術の進歩、複雑で大規模なネットワークの展開も、基本的にはその延長上にあります。家庭専修・専攻では、人類が積み上げてきた知識や技術を生活に活用し、自立した生活を主体的にいとなむ実践的な力を子どもたちに身につけさせたいと考えています。国際比較調査でも、「家族のための食事を作る」「部屋のそうじをする」といったことが、15歳になっても一人でできない生活力のない日本の子どもの姿が浮き彫りになっています。学校で多くのことを学びながら、生活に役立たせようとしない、創意工夫する力がないのは残念なことです。また、自分ひとりの生活だけでなく、社会全体の生活向上にも目を向ける、そんな児童・生徒の自立を支援する教員の養成を、家庭専攻/家庭専修ではめざしています。日本は技術立国といわれ、多方面の卓越した技術を数多く生み出し、国の発展に寄与しています。これらの技術の中には、経験と勘により生み出された優れた技術もたくさんありますが、科学に裏付けされた技術には有利な点があります。もし、生産現場で製品に不具合等が発生した場合には、利用されている技術の基礎になっている科学から、問題解決の糸口を見出すことが可能となります。 情報・技術専修/情報・技術専攻では、科学と技術の係わり合いについて学び理解することが基本となります。その上で、健全な情報社会の発展や科学技術の進歩に寄与できる実践的能力をもつとともに、生活に必要な技術を身につけ、生活の中で工夫し創造する能力を子どもたちに伝えるための理論と方法について学びます。さらに、中学校・技術科教育や小中学校におけるプログラミング教育をはじめとする情報教育のリーダーとして、これらの教育に関するカリキュラム開発や教材研究を行い、児童・生徒の実態に即した授業計画を作成して実践できる優れた教員の養成を目指します。また、情報と技術に関する広い知識や各種メディアを活用できる能力を応用して、文理融合の情報学、科学技術リテラシーに関する授業も展開しています。 「生活」を創造する家庭専修/家庭専攻初等教育コース初等教科専攻/中等教育コース科学と技術の接点情報・技術専修/情報・技術専攻初等教育コース初等教科専攻/中等教育コース

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