滋賀大学 大学案内 2021
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Society5.0時代に入った。それは、ビッグ・データ、AI、ロボット、IoTが中軸となって、人間の新しい可能性と発展の扉を開き、幸福で豊かな生活を築き上げようとする社会である。我々の前に広くて真っ白な世界が開けている。その世界に、これまで築いてきた文化と科学技術を礎にして、どのような形を作り、彩を施し、動きを与えるのか。それは、これからの世代の人たち一人ひとりが思い描き、実現していくことである。大学とは、教育と研究を通じて、現在の人間をより高みに導き、また深みに誘うところであり、未来を築いていく人材を育成するところである。研究は、われわれ人間の本質を明らかにし、またよって立つ社会の理念や仕組み、そして真理と理想を追究するところである。研究はまた、われわれ自身とその存在する場を科学的に明らかにし、未知のものを発見し、新規のものを発明し、また新たな術と方法を編み出す。そして教育は、これらの研究を通じて得られた成果を、知識として、技術として、そして何よりも思考として、現在及び将来の世代に伝えていくことである。滋賀大学は、Society5.0 時代を担うべき高い能力を持つ学生たちが、夢をはぐくみ、それを実現させる能力を養うことを使命とし、わが国データサイエンスのフロントランナーを標榜している。ビッグデータは社会のあらゆる場面で生まれる。データを加工して解析し、それに新しい価値を発見・創造するのがデータサイエンスであるが、それは同時に、社会のあらゆる分野でデータを理解し、そこから新しい価値を発見・創造することにつながることを意味している。従来、滋賀大学は、経済と教員養成の分野で伝統を誇る大学として名をはせてきたが、データサイエンス学部が加わることによって、文理融合型大学に脱皮し、ビッグデータ・AIを取り扱うデータサイエンティスト、データサイエンスの基礎知識と技法を駆使して社会の仕組みの再構築と新たな可能性を引き出すエコノミスト、そしてデータに基づく教育を深め、将来世代にデータの楽しさを伝えることのできる未来教師を育成する大学となった。これまでにない文理融合的な研究とその成果に基づく教育が、3つの学部・研究科の垣根を越えて、新しい未来を創っていく。新時代の新人間を育てること、それこそが滋賀大学の理念であり、誇りと責任である。それはまさに、学生一人ひとりが未来を考え、切り開いていくための基礎作りのプロセスを提供する。さあ、新しい時代が来た。夢を描き、夢をはぐくみ、新しい世界へ飛び立とう。滋賀大学 学長58

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