滋賀大学大学院 データサイエンス研究科
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入門科目として、「データサイエンス概論」(必修)があります。この講義の目的は、教育目的とカリキュラムの全体像を学生に伝えることです。データサイエンス研究科修士課程において基礎となるデータエンジニアリング及びデータアナリシスに関する科目、さらにデータの特徴を表し分析の目的に適したモデルを構築するためのモデリング科目について概説します。さらに企業等の現場においてデータサイエンスを活かすために必要とされるプロジェクデータサイエンスの一連の過程において、情報処理の専門知識とスキルは、3つのステージに分けられます。第1ステージはデータの取得と保存、第2は前処理および計算、第3はデータの可視化です。本研究科のカリキュラムでは、これらのステージで必要とされる専門知識を別々に学ぶのではなく、データの種類ごとに、第1ステージから第3ステージまでの全てを1つの科目の中で学びます。具体的には、テキストデータを題材に全ステージを1人で担えるスキルを身につけるための講義として「Webマイニング特論」、さらに講義で学んだ内容を学生が自ら実践する力と自立的に学習し続けていく力を養うための実践形式の授業として「Webマイニ入門科目 ●データサイエンス概論 (人材像とそのレベルに達するためのステップ、そして基礎的概念を概説)(必修)トマネージメントの方法論について講義します。また個人情報などのデータを扱う際の情報倫理についても補足します。これにより、社会や企業活動におけるデータサイエンスの重要性について理解し、データサイエンスの体系の概要と、データサイエンスを習得するためにどのような学習が必要とされるかについて理解することができます。データエンジニアリング科目ング実践論」を開講します。そして、センサーデータについては、「サイバーフィジカル特論」および「サイバーフィジカル実践論」、画像・音声データについては、「マルチメディア特論」および「マルチメディア実践論」において学びます。一般にWebデータは大規模であるため、大規模計算を含む第2ステージの比重が大きくなります。そして、センサーデータについては、例えばスマートフォンやラズベリーパイなどを用いて自らデータを収集するため、第1ステージの比重が大きくなります。また、画像・音声データについては、可視化が重視されるため第3ステージの比重が大きくなります。データアナリシス科目データを正しく分析するために、データに内在するランダムネスを処理・測定する専門知識とスキルを学びます。データアナリシス科目では、モデルを記述するための数学的道具立てとしてグラフィカルモデルや近似推論、そして欠損値および外れ値処理の理論的フレームワークを学ぶ「モデリング基礎理論」、情報量基準などの構築したモデルの良さを比較し評価する方法について学ぶ「モデル評価論」、金融データ等の時系列モデルに特化した数理を学ぶ「確率過程理論」の3つの講義があります。例えば、「確率過程理論」では、時々刻々と連続的に変化する不確実な現象を記述する数学モデルとして利用される確率過程について講義します。測度論からはじめ、それに基づいて確率論の基礎的な概念の定義や諸性質を与え、極限定理やマルチンゲール理論など確率解析の基礎的事項を学びます。これら3つの講義のいずれも学部レベルでは扱わない高度な統計理論やデータ分析法に関する講義によって構成されます。さらに、それぞれの講義について、学生が最新論文を輪講形式で紹介したり、すでに公表されているデータ解析結果を再分析し受講者で議論したりするような実践形式の授業「モデリング基礎実践論」、「モデル評価実践論」、「確率過程実践論」を用意します。これらはいずれも、モデリング科目において学ぶ各種モデリングの方法論を理解する上での基盤となります。●Webマイニング特論 (選択必修)/Webマイニング実践論●サイバーフィジカル特論 (選択必修)/サイバーフィジカル実践論●マルチメディア特論 (選択必修)/マルチメディア実践論●モデリング基礎理論 (必修)/モデリング基礎実践論●モデル評価論/モデル評価実践論●確率過程理論/確率過程実践論2単位取得2単位以上取得2単位以上取得 1 教育目的とカリキュラムの関係 2 上級データエンジニアリング 3 上級データアナリシス 4 モデリング方法論 5 開発管理、プロジェクト管理 6 グローバル企業におけるイノベーション管理 7 企業におけるデータサイエンスの機会とその類型化 8 企業内データサイエンティストのリテラシー 9 ソリューションのマネジメント10 ステークホルダーのマネジメント11 データサイエンティストチームの  マネジメントと人材育成12 経営とデータサイエンス13~15 情報倫理授業計画8データサイエンス研究科 博士前期課程

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