滋賀大学大学院 データサイエンス研究科
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データサイエンスの目的である価値創造のためには、統計学と情報学の専門知識だけでは不十分です。そこで、様々な領域の知識及び実践経験を身につけます。まずは、データから価値創造するための「型」を身につける科目として、「意思決定とデータサイエンス」を開講します。この講義を通して、分析力から価値を生むには、分析問題を解く力だけでなく、それを意思決定の改善につなげる力も必要という意識改革を促します。実際のビジネスシーンを模した演習を通して、データ分析を意思決定に役立てる実践的な知恵を身につけます。データサイエンティスト協会の設定する「独り立ちレベル」から「棟梁レベル」の入り口に達するための橋渡しの役割を果たす科目です。価値創造科目さらに多くの分野の領域知識に触れることのできる環境を用意するため、「領域モデル実践論」を開講します。領域知識を考慮せずに分析モデルを立てても有用な情報をデータから引き出すことは困難です。領域知識を活かして、モデルを構築する技量を向上させることができます。そして、具体的な価値創造につなげる実践的研究を行うのが、「課題研究1」、「課題研究2」、「課題研究3」、「課題研究4」です。各種専門領域の担当教員の指導の下、大学の領域科学研究者、企業や自治体等と連携して実施される価値創造プロジェクト研究の一員として、現場の具体的な課題を読み取り、実際のデータを使って解析し、その知見を活かして価値創造を図ります。●意思決定とデータサイエンス (必修)●領域モデル実践論●課題研究 1、2、3、4 (必修)10単位以上取得データから価値創造をするためには、データの特徴を表し分析の目的に適したモデルを構築する必要があります。モデリング科目では、モデル化の方法論について、手法の類型ごとに最新の理論と方法を網羅的に学びます。具体的には、「教師あり学習」、「教師なし学習」、「時系列モデリング」、「統計的モデリング」、「強化学習・転移学習」の講義5科目と、実践形式で学生が最新の論文を紹介したり実装して実際のデータで評価したりすることにより自ら学ぶ力を養う「教師あり学習実践論」、「教師なし学習実践論」、「時系列モデリング実践論」、「統計的モデリング実践論」、「強化学習・転移学習実践論」の5科目を開講します。例えば、「教師あり学モデリング科目習」では、現在大きな注目を集めている深層学習やスパースモデリング、またガウス過程、ベイズ最適化、隠れマルコフモデル等を学びます。「教師なし学習」では、ものづくりの現場で必要とされる異常検知技術、また行列分解、クラスタリングについても学びます。Pythonなどのプログラミング言語による演習も行い理解を深めます。「時系列モデリング」では、ARIMAモデルや状態空間モデル、モンテカルロフィルタなどを学びます。「統計的モデリング」では、混合モデルや一般化線形モデル、階層ベイズモデルについて学びます。●教師あり学習 (必修)/教師あり学習実践論●教師なし学習 (必修)/教師なし学習実践論●時系列モデリング/時系列モデリング実践論●統計的モデリング/統計的モデリング実践論●強化学習・転移学習/強化学習・転移学習実践論 4単位以上取得修士(データサイエンス)の学位提出された修士学位論文が右記の条件を満たすこと●データサイエンスおよびその関連分野における新たな成果を含む。●記述の論理構成が緻密であり、学問体系における成果の位置づけが明確で、 かつ当該研究課題の周辺領域の専門家にも成果の意義が明快に伝わる。ビッグデータ解析等に基づく修士論文複数の教員がチームを組み「課題研究1」から「課題研究4」の中で修士論文に関する研究指導を行います。学生は、興味と適性に基づいて、研究テーマを1年次春学期が終了するまでに決めます。それに応じて、主担当教員と副担当教員が選ばれます。大学の領域科学研究者、企業や自治体等と連携して実施される価値創造プロジェクト研究に参加して、データから価値を創造することを目指します。そして、その成果を修士論文としてまとめます。所定の単位を取得した者に対し、次の学位基準に基づいて修士(データサイエンス)の学位を与えます。9データサイエンス研究科 博士前期課程 ■

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