滋賀大学 データサイエンス学部
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活用できるよう構造的に整えていくのですが、データの精度や信頼性を高めるうえでは、この研磨の作業が大変重要だと実感しました。しかも、研磨のスキルは、2年生の時に参加した金融機関でのインターンシップでも役に立ちました。竹村 産官学連携やリアルなデータを用いての実務も充実させ、実践的な知識やスキルを修得してもらうことは学部の大きなねらいです。現在、連携する企業、自治体は150以上あり、現役のデータサイエンティストによる講義やインターンシップも多数用意しています。それらを受講してみての感想を聞かせてください。森本 データサイエンス学部限定のインターンシップも多いですし、企業の方々が自分たちに注目し、期待してくださっていることをひしひしと感じます。辻本 私は企業の方のお話を聞いたことで、データが実際にどう活用されているのかがよくわかり、将来を考えるきっかけになりました。インターンシップ先はデータ専門会社だったのですが、そこでは、どうすればデータの正確性を高められ、有効なものにできるのか、自ら考察して取り組めたことがよかったです。國司 私も企業の方のお話から、自分は何のために勉強しているのか改めて理解できました。インターンシップでは、その会社が活用するポイントカードのデータからテレビの視聴履歴とコンビニなどでの購買履歴を比較し、食べ物の嗜好を分析したことがおもしろかったです。また、財務諸表といった経済系の実務データを分析する授業があるのですが、出典を明らかにするといったデータの使い方、結果の導き方、グラフなどの見せ方を考え、仕上げていきました。楽しい反面、難しさも感じています。竹村 データサイエンスの奥深さを経験してもらうこともねらいですからね。森本 確かに授業や課題では大変なこともありますが、学べば学ぶほど、身につけた知識やスキルを活かせる分野が無限大にあることを感じます。竹村 確かにそうですね。広範囲という点では、1期生の卒業論文発表会での内容の多彩さに私も驚かされました。では、就職や将来についてどう考えていますか。辻本 私は滋賀大学での企業説明会でお話をうかがった会社にシステムエンジニアとして内定をいただきました。希望は自動車の自動運転の研究開発ですが、この会社は医療をはじめ多角的に事業を展開していて、どこに配属されても、4年間学修したことが活かせると思います。森本 僕は大学院に進学し、コンピュータビジョンやVRなど画像処理について研究します。画像処理は、例えば、工場の製造ラインの監視カメラから異常を検知し、事故の発生を予測することなどが、データの可視化という点でデータサイエンスと深く関わっています。活用分野が多岐にわたるので、今後もいろいろなことを学んでいきたいです。國司 さまざまな学びを通じて、自分にはデータエンジニアリングが合っていると感じました。とくに人工知能と機械学習への興味が深まっているので、将来はそれらに携わることを考えています。森本 僕もそうでしたが、データサイエンス学部は入学時に明確なビジョンが決まっていなくても、日々の授業が視野を広げてくれ、将来の選択ができますよね。辻本 確かにそうですね。それに、データサイエンスの知識とスキルがあれば、あらゆる分野に対応できます。國司 自分はこの学部を現代の教養の場だと思っています。文理融合の学びはどの分野に進んでも必要ですし、最先端の学びを楽しんでいます。竹村 データサイエンスの重要性やニーズはますます高まり、教育機関も増えてきていますね。滋賀大学データサイエンス学部は日本初ということもあり、社会や企業から厚い信頼をいただいています。求められる力が身につく授業も、創設時のねらい通りに実践していますし、卒業後、活躍できる分野も大変幅広いです。実際、1期生の就職率や大学院進学率は高い数値を達成しました。さらに卒業生をサポートし、在学生とつなぐ連携機関の設置も進めています。さまざまな分野に関心のある方こそ、ぜひ本学部に入学して、社会をリードするデータサイエンティストをめざしてほしいですね。データサイエンス学部 学部長 竹村 彰通(左から) 國司 礼音さん 4年 河瀬高等学校(滋賀県)辻本 麻里さん 2021年3月卒業 膳所高等学校(滋賀県) 株式会社富士通 内定森本 澪二さん 2021年3月卒業 南陽高等学校(京都府) 滋賀大学大学院データサイエンス研究科 進学06

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