滋賀大学 データサイエンス学部
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06市川 2017年、滋賀大学に日本で初めてのデータサイエンス学部(以下、DS学部)が誕生以降、社会におけるデータ活用の重要性がさらに増しています。3人はなぜ、滋賀大学でデータサイエンスを学ぶことにしたのでしょう。村松 最初は得意な数学を専攻し、将来は金融機関のアクチュアリー(数理業務)になることを考えていました。しかし、「データサイエンス」「ビッグデータ」という言葉を耳にするようになり、希望する学びにも将来にもDS学部がマッチしていると思いました。渡邉 新聞やニュースで経済動向をチェックすることが日課の父の影響で、自然と経済に関心を持つようになり、そのときにデータサイエンスを知りました。滋賀大学DS学部の学びが充実していると父が勧めてくれたこともあり、進学しました。飯島 私は高校時代、文系だったのですがプログラミングに興味がありました。そこで、文系でもプログラミングの知識と技術を身につけられる進学先を探していたところ、DS学部が掲げる「文理融合」に惹かれて進学を希望しました。市川 データから新たな価値を見出すためには、文系の素養が不可欠です。多様な学生が学べる場になるよう、2025年度入試から制度を変更して、門戸を広げることを進めています。飯島 入学前は統計学や解析学といった数学系の科目が不安でしたが、授業には「数学Ⅲ」の内容が含まれ、さらに先生や大学院生による補講もあり、授業や試験に取り組むことができました。村松 DS学部は少人数なのに先生の数が多く、飯島さんが言うように補講をはじめ先生のサポートが手厚い印象があります。自主ゼミ(自由参加のゼミ)も開講されていますし。私は1年次に受講した自主ゼミでファッションデータや画像の活用に興味を持ち、画像データの認識・処理を研究する飯山将晃先生のゼミに進みました。データサイエンスはさまざまな分野に関係するので、自分の興味関心に合わせて追究できるのが魅力だと感じます。飯島 私は市川治先生のゼミに所属し、好きなボーカロイドのプログラミングやデータ分析を行っているのですが、とても楽しいです。滋賀大学が連携協定を結んでいる国立音楽大学との共同研究を市川先生が主導されているのですが、そちらの研究にも参加し、音楽分析に携わっています。高校時代の私を思うと、今の自分の姿は考えられないです。市川 自身の興味、好きという気持ちは、学びへの何より大きな原動力になります。それに、データ活用の領域は、皆さんから話に出た経済やファッション、音楽だけでなく無限です。医療、文化、教育など、多様な領域から専門分野を選び、そのスペシャリストである教員から学べることは、滋賀大学DS学部の特筆すべき点です。市川 渡邉さんは、ゼミでの学びはどうですか?渡邉 「企業連携型PBL(課題解決型学習)」に注力する河本薫先生のゼミに在籍しています。履修中の「ビジネス価値創造論」という科目の学びが、ゼミでも活かされています。また、河本先生の「データを分析するだけでなく、データを使って実社会で役立つことが重要」という教えは、私の学びの指針になっています。市川 河本先生のおっしゃる通りです。実社会での活用と価値創造を実現する人材育成がDS学部のミッション。学部開設前の準備期間から産官学連携にも並々ならぬ力を注ぎ、現在、連携先は300件以上。企業や自治体から提供いただいたデータを演習や共同研究、学生の卒業・修士研究にも活用しています。こういった「リアルデータ」に学生が触れられるのも、実は貴重な機会です。村松産官学連携ですと、科目担当の先生が連携企業のデータ分析やシミュレーションモデルを作成されたことがご縁となり、連携企業でプログラミング講義を行ったことがあります。それとは別に、自主ゼミの仲間とプログラミング教室で小中学生に教えたりもしていました。あと、滋賀大学発ベンチャーのミラカン合同会社のプロジェクトにも参加しています。飯島 私は今年の夏季休暇中にDS学部が連携している企業のインターンシップに参加して、顧客データの分析を行う予定です。渡邉 私は滋賀大学と(株)帝国データバンクが共同研究を行うために学内に設立した「DEMLセンター」で、データ研磨の業務に携わることになっています。市川 3人とも産官学連携をしっかり活用しているようですね。村松 デスクやパソコンの前での学習も大切ですが、データサイエンスは実務・実践が重要だと思います。飯島 確かにそうですね。プログラミングやデータ分析の演習を積み重ねていくことで、理解が深まっていきました。渡邉 私はゼミでビジネスにおける実践的なデータ活用を学ぶ中で、企業、生活者双方の視点の大切さをあらためて感じています。市川 皆さんの言葉から、これまでの取り組みが間違いでなかったと感じています。では最後に、今後の目標を聞かせてください。飯島 エンジニア志望ですが、多種多様な領域のインターンシップなどに参加し、本当にやりたいことを見出していきたいです。渡邉 まだ検討中ですが、ビジネスやマーケティングに携わりたいと思っています。村松私はさまざまな活動を経て、入学前から検討していた数学的なデータの知見を実社会や企業の利益に活かす職種の一つ、クオンツやデータサイエンティストとして働くことを決めました。就職活動では企業や社会のデータサイエンス、データサイエンティストへのニーズの高さをあらためて実感しました。滋賀大学DS学部で学んで本当によかったです。市川 滋賀大学DS学部はカリキュラムや教員の高い専門性はもちろん、実社会との近さ、連携先の多さは他の追随を許さないと自負しています。データサイエンスという新分野の波がさらに大きくなっている今、滋賀大学DS学部で学ぶ学生も、そして進学を考えている受験生もデータサイエンスの知見を得て、未来を切り拓いてほしいと思います。データから価値を創造できる人材を育成経済、医療、芸術など多分野のデータ活用が学べる

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