AIで世界を“見る”技術を開発し、社会や環境の課題解決に挑むや物理、プログラミングなど、他分野と組み合わせることで、さらに深く面白い研究ができるのも特徴です。私は実際に、水産業に特化したAIのベンチャー企業を立ち上げ、大学での研究成果を社会に還元しています。研究から生まれた技術を実際に使ってもらい、そこからまた新しい課題を見つける。このサイクルが未来の社会を支えていくと信じています。現在「本物の」データサイエンティストが世の中で不足している状況です。「世の中で役に立つものを創りたい」「理論的な問題を解きたい」どちらがきっかけの方でも、卒業後の活躍の場はそこら中にあります。は「コンピュータの目で世界を観る」という理念のもと、AIを用いた画像認識技術の研究に取り組んでおります。私たちは多くの情報を「目」から得ていますが、その視覚の働きをコンピュータに学ばせることで、産業や暮らしを支える新たな技術が生まれます。製品の不良を見つける検査や、宇宙から地球を観測する衛星画像の解析、水中で魚や海藻を見分ける技術など、応用範囲はとても広いです。特に最近は、漁業や環境問題に注目し、気象や海の状態を予測するAI技術の開発にも力を入れています。データサイエンスとは、日々の生活の中にある「データ」から新しい価値を見つけ出す学問です。この分野の魅力は、結果が画像として「見える」こと。目に見える成果があると、学ぶ楽しさも感じられます。数学教育者としてのモットー専門分野:コンピュータビジョン、リモートセンシング飯山 将晃教授 データサイエンス学部「せっかく大学に来たのだから、面白いことをやろう」をテーマに、自分の関心のある学びを深められるよう努めています。スポーツ選手に体力トレーニングが不可欠であるように、データサイエンスの分野においても数学や情報学の基礎知識は必須ですが、応用の可能性を具体的にイメージでき、学習の敷居が高く感じないよう工夫しています。「人間にとって音楽とは何か」「音楽にできることは何か」を考え続ける寄附のお話があり、大学が寄附をもとに教育学部に附属音楽教育支援センター(愛称:おとさぽ)を設立。センター長として、特別支援学校や特別支援学級、障害福祉サービス事業所などの音楽活動の支援に携わっています。音楽が生きる原動力となっている姿に出会うとき、音楽の力や可能性を感じます。障害のある方々との音楽活動を通じて、「人間にとって音楽とは何か」「音楽にできることは何か」という問いを掘り下げています。多様性の時代に、人間と音楽の本質を追究することができるテーマであり、私のライフワークとなりそうです。今後も大学内や地域に貢献するのはもちろんのこと、全国でも珍しい、障害児者のための音楽教育センターとして、研究成果を国内外に発信していきたいと思います。門である「音楽アウトリーチ」とは、音楽の教育普及活動のこと。学校でのコンサートや音楽ワークショップを数多く企画・コーディネートし、どのようにしたら音楽家、教師、子どもたちが互いに深く学び合えるかを研究してきました。プログラムの内容や場づくりの工夫などで、子どもたちへの教育効果は大きく変わってくるのです。さまざまな校種で研究・実践を重ねてきましたが、数年前からは特別支援学校に出入りするようになり、子どもたちのユニークな表現や力強い表現欲求に魅力を感じるようになりました。ちょうどその頃、障害児者の音楽教育事業のためにと私専教育者としてのモットー専門分野:音楽教育 林 睦教授 教育学部学生のアイディアや思いを尊重するよう心がけています。また実践から学ぶことを大切にしています。例えば、過去の卒業研究では、歌やダンスの創作が好きなゼミ生2人が、歌のおねえさんユニットを組んで附属幼稚園で自作の公演を重ね、子どもの反応を卒業論文にまとめていました。学生の個性を尊重したことで、独自性の高い研究ができました。08
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