島根大学 人間科学部 GUIDE BOOK 2021
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13Faculty of Human Sciences, Shimane University身体活動・健康科学コースでは、低酸素室・高酸素室を備えた「ヘルスサイエンス実験室」を整備しました。この実験室はヒトを対象とした様々な実験を行うことを目的とし、人間科学部の設置に伴って新たに作られたものです。また、低酸素室では室内の酸素濃度を20.9(海抜0m)~13.5%(海抜3500m相当)まで任意に変更でき、高所トレーニングや登山のシミュレーション、それらに関する研究を行うことが可能です。現在は、低酸素環境下での活動時に生じる認知機能(判断力など)の低下を予防するための研究に取り組んでいますが、今後は血管機能や代謝機能の改善、体脂肪減少などの健康増進や、有酸素能力や筋力の増強などの競技力向上を目的とした低酸素トレーニングの方法・効果に関する研究にも取り組んでいく予定です。ヘルスサイエンス実験室を含めた様々な実験室・演習室は授業や研究活動、卒業研究などで利用することができ、座学で学んだことを実際の体験(実験や演習)と合わせて身につけることが可能となります。将来的には、公開講座などを活用して、地域住民の方の教育活動にも門戸を広げ、山陰・中国地方の「低酸素トレーニング研究の拠点」となることを目指しています。私たちの身近には、優れた機能を持ちながらも活用されていない資源が多くあります。食品栄養学研究室では、未利用資源が有する機能性を見いだし、それらを最大限に活かす加工技術の開発を行っています。これまで、健康茶の健康機能性を保持させるための製造技術や、規格外果実を有効利用するための加工技術を開発し、その中には製品化されたものや特許を取得した研究もあります。今後も、産学官で連携して実用化可能な技術開発を目指します。生活習慣病は、食習慣、運動習慣など生活習慣要因と遺伝的要因が複雑に影響し、発症します。各々の生活習慣要因の影響の大きさは、人間の生活習慣、社会的環境の変化から時代で異なる為、最新の研究結果が重要です。遺伝的要因に関しては、これまでの代謝に影響する遺伝子研究に加え、最近では食習慣、運動習慣などの行動に影響する遺伝子も解析されています。これらの要因を総合的に解析することで現代人にあった生活習慣の探求をしています。ヘルスサイエンス実験室低酸素室健康を科学するための実験施設ヘルスサイエンス実験室未利用資源を活用した健康機能性食品の開発現代人にあった生活習慣とは?

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