島根大学 人間科学部 GUIDE BOOK 2021
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9Faculty of Human Sciences, Shimane University福祉社会コースでは、すべての人が幸せを感じ、未来への希望を持って生活するためにはどうすればよいのかを考えています。ソーシャルワーカーも、持続可能な開発目標(SDGs)の実践として、地域社会の課題を地球規模で考える必要が出てきました。これからも年1回のカンボジア研修や東アフリカのタンザニアのマサイ女性の支援を通して、マイノリティの人権、開発途上国の貧困と病気の構造、日本ができる教育支援、私たちの社会の在り方を実践的に学び続けていきたいと思います。そして、卒業してからアジア・アフリカと島根のかけ橋になってくれると嬉しいです。福祉社会コースでは、学生が中心となり、松江市社会福祉協議会、松江市手をつなぐ育成会らと「オープンカレッジ実行委員会」を立ち上げ、地域で生活する18歳以上の知的に障がいのある人の教育を受ける機会の保障を目的とした「知的に障がいのある人のオープンカレッジin松江」を企画しています(年2回開催)。「松江の歴史」「シジミの科学」などの全体講義、「英会話」「手話」「美術」などの選択講義、校外学習を組み込んだプログラムを用意しています。島根大学生や地域の方々など沢山の方がボランティアとして参加しています。2017年度にはこの活動が評価され、「障害者の生涯学習支援活動」に係る文部科学大臣表彰を受けました。現在、福祉社会コースの教員と法文学部経済学分野の教員で、学部横断の研究を行っています。ここでは、「生活困窮・貧困問題」に焦点を当て、多様な学術領域の視点から「総合的」に研究を行っています。具体的には、①社会福祉士をはじめとする専門職による困窮者への支援方法の開発、②市町村レベルでの政策的対応の実態解明と支援策の開発、③困窮発生の社会的メカニズムについて、地域社会の特性を踏まえて明らかにすることを目指しています。福祉社会コースでは、このような生活上の困難を解決する支援や仕組みについて考えていきます。2020年3月には、『地域が抱える“生きづらさ”にどう向き合うか―山陰における福祉課題の解決とその実践―』を刊行しました。2019年度のカンボジア研修来日したマサイ女性と学生障がいのある人と共に学ぶオープンカレッジ「貧困」を科学する学部横断プロジェクトアジア・アフリカと島根のかけ橋になる国際交流

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