島根大学 人間科学部 GUIDE BOOK 2022
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2「人間科学」と聞いて、あなたはどのような学問を想像しますか? 人間を科学的に研究する学問らしい、と見当はついても、具体的なイメージはなかなか浮かんでこないのではないでしょうか。実際、日本には人間科学部をもつ大学が30余りありますが、それぞれの人間科学部に対応する学問分野は、人文学、教育学や心理学、社会福祉学や健康科学、看護学等々、バラエティに富んでいます。いいかえれば「人間科学」という、確固とした独自の学問領域が存在するわけではないのです。人間という存在がきわめて多様な側面をもち、それに対するアプローチもまた多岐にわたる以上、これはある意味では当然と言えるでしょう。それでは、島根大学人間科学部では、人間のどのような側面に着目し、どのようにアプローチしていくのでしょうか?島根大学人間科学部人間科学科は、身体活動・健康科学コース(20名程度)、心理学コース(35名程度)、福祉社会コース(25名程度)の3コースからなり、多様な視点に基づく人間理解を通じて地域社会の発展に貢献できるような人材育成をめざしています。からだ、こころ、他者とのつながり、という人間の3つの側面に焦点を合わせ、健康科学、心理学、社会福祉学という3つの学問分野を核として、人間存在に文理融合的にアプローチしていくのです。その際のキーワードは「地域」と「実践」です。人間は誰しも地域社会のなかで生きているのですが、そこには身体的・心理的・社会的にさまざまな問題が生じてきます。そのような問題のありかを科学的に明らかにし、その解決策を実践的に模索していく、これが本学部の「人間科学」のキーコンセプトになります。本学部では、このような「人間科学」の学びを保証するために効果的なカリキュラムが用意されています。まず、1年次の授業は、各コースに対応する学問内容の基礎を紹介する「人間科学概論」等、入門的な初年次教育科目が中心となります。1年後期のコース分属を経て、コース毎の専門的な学習を系統的に進めていくことになりますが、他方で、地域社会に生きる人間をさまざまな視点から見つめなおす多彩な授業が学部共通科目として設定されていることも、本学部の大きな特徴です。そこには他学部の教員による授業も含まれており、また自分が所属する以外のコースの授業を履修することにより、人間に関する幅広い視野を養っていくのです。さらに2年次以降は、コース毎に独自の地域実践展開科目が豊富に用意されていて、実習や調査等さまざまな形で、地域社会における実地体験に根差して学習を深めていくことができます。また、スウェーデンのルンド大学との提携による海外研修プログラム(コロナ禍で現在は休止中)や、インタラクティブ・プレゼンテーション・ミーティング(IPM、実習や調査・実験等による学習成果をコース横断的に発表する)の時間も設けられています。カリキュラムの特色島根大学人間科学部の特色「人間科学」とは?島根大学人間科学部は、2021年3月に最初の卒業生を出した新しい学部です。

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