島根大学 生物資源科学部 2023 学部案内
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17島根大学には,島根県内に三瓶演習林(大田市と飯南町),匹見演習林(益田市),そして松江試験地(松江市)の3ヶ所の演習林があります。森林科学部門は,下記のように様々な研究活動を演習林において展開しています。さらに島根大学における森林に関する教育研究の実践の場として整備された演習林は,森林学コースや環境生物学コースなどのカリキュラムの中で多くの実習教育と卒業研究に利用されています。あなたもぜひ,島根大学演習林で新しい発見を!《演習林の長期研究課題》●気象観測 ●樹木の展葉落葉フェノロジー ●小渓流の流量観測農業生産科学部門では,農業の生産性向上のための技術と人や環境との関わりを体験できる実習を行っています。本庄総合農場(15ha)にある水田,畑,ガラスハウスで様々な作物を栽培し,作物の育て方や肥料・農薬の使用量が環境に及ぼす影響を観察しながら農業と環境の関わりについて学びます。毎年約120名の学生が農場実習に参加します。研究活動はおもに松江市の本庄総合農場と出雲市の神西砂丘農場で行われ,以下のような研究や調査を教員・技術職員・学生が協力して行っています。●栽培作物の生産性向上要因の解析 ●土耕・水耕栽培における生理障害の要因解明●新しい作型・栽培技術の開発 ●地域資源を用いた加工品の開発海洋生物科学部門は, 学外教育研究施設として隠岐の島に3隻の実習船を備えた臨海実験所が設置されています。実験所の利用は全国に開放されており,公開実習など多くの大学生・研究者が全国各地から訪れます。実験所で行う臨海実習では,海洋生物と環境に直接触れることにより,生物多様性の意味,生物の環境への巧妙な適応戦略,生物と人間生活との関連性を学ぶことができます。海洋で採れる新鮮な実験材料を利用して,海洋の生物多様性,および海産無脊椎動物の生理・発生を体験できます。また,隠岐の島は日本海西部の流れる対馬海流の最上流域にあたり,地球温暖化に伴う日本海の生物相の変化を観測するのに適した場所です。本来は生息していなかったヒョウモンダコやヒメカンムリヒトデなど南方系の海洋生物が定着していることが確認され,環境変動を日々感じています。また,大気・海洋を通じて流れ込む汚染物質や海洋ゴミなど,人工的な環境変動の影響が顕著に見られる場所でもあります。日本海をモデルに,環境変動を観測する研究プロジェクトについて,日本海側に面した諸大学と共に環境教育についても展開していきます。要注意!ギンカクラゲ●広葉樹二次林の長期動態 ●森林における酸性雨の影響●土壌中の有機・無機成分のモニタリングタコツボに入って様子を伺うマダコ三瓶演習林露場に日射計を設置する学生たち農業機械の運転実習をしています島根大学 生物資源科学部 2023田植え実習シュノーケリング練習附属生物資源教育研究センター森を訪れ,森を畏おそれ,森を学ぶ▶森林科学部門(三瓶演習林・匹見演習林・松江試験地)人と環境にやさしい農業とは▶農業生産科学部門(本庄総合農場・神西砂丘農場)日本海のアップフロント・隠岐▶海洋生物科学部門(隠岐臨海実験所)

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