島根大学 人間科学部 GUIDE BOOK 2023
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ゼミ紹介9福祉社会コースでは、学生が中心となり、松江市社会福祉協議会、松江市手をつなぐ育成会らと「オープンカレッジ実行委員会」を立ち上げ、地域で生活する18歳以上の知的に障がいのある人の教育を受ける機会の保障を目的とした「知的に障がいのある人のオープンカレッジin松江」を企画しています(年2回開催)。「松江の歴史」「シジミの科学」などの全体講義、「英会話」「手話」「美術」などの選択講義、校外学習を組み込んだプログラムを用意しています。島根大学生や地域の方々など沢山の方がボランティアとして参加しています。2017年度にはこの活動が評価され、「障害者の生涯学習支援活動」に係る文部科学大臣表彰を受けました。精神保健福祉実習は、精神科病院や施設での実習を通して、実習指導者の指導のもと、現場経験や精神保健福祉士としての仕事のあり方を学びます。普段あまり接することのない患者さんとの交流や精神保健福祉士の仕事に同席することを通じて、様々な気づきや学びを得て、精神保健福祉士としての視点や技術を身につけていきます。また、一緒に学ぶ仲間との意見交換、実習での学びを文章や言葉で報告することにより、理論と実践を往還し、実際の現場で活躍できる人材を育成しています。障害のある人の福祉に関心のある学生が多いゼミです。書籍を読んだり、施設見学や障害当事者または家族の話を聞いたりすることなどを通じて、障害理解、障害のある当事者、家族、支援方法の理解等を深めています。これまで松江市社会福祉協議会とゼミ生が中心になり障害者虐待に関する研修会を企画等しました。新型コロナの関係で学生は登壇できませんでしたが、かれらの作成した資料を基にした研修会が市内で複数回開催され、福祉関係者間での共通理解を形成することができました。2020年3月には、『地域が抱える“生きづらさ”にどう向き合うか―山陰における福祉課題の解決とその実践―』を刊行しました。現在、福祉社会コースの教員と法文学部経済学分野の教員で、学部横断の研究を行っています。ここでは、「生活困窮・貧困問題」に焦点を当て、多様な学術領域の視点から「総合的」に研究を行っています。具体的には、①社会福祉士をはじめとする専門職による困窮者への支援方法の開発、②市町村レベルでの政策的対応の実態解明と支援策の開発、③困窮発生の社会的メカニズムについて、地域社会の特性を踏まえて明らかにすることを目指しています。福祉社会コースでは、このような生活上の困難を解決する支援や仕組みについて考えていきます。障がいのある人と共に学ぶオープンカレッジソーシャルワーク実習指導(精神)障がい者福祉ゼミ京 俊輔「貧困」を科学する学部横断プロジェクト

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