島根大学 医学部案内 2025
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島根大学で医学を学ぶ意味GUIDE BOOK05専門的「外傷学」を研究するAcute Care Surgery〜我が国初のAcute Care Surgery講座〜Acute Care Surgery講座 教授 渡部 広明 交通事故を代表とする大事故、労災、大規模災害では命に関わるけが(外傷)を負うことで命を落とす人が依然として後を絶ちません。この生命危機にある重症外傷患者の病態と治療を研究する学問が「外傷学」です。これまで我が国の医学部では「外傷学」を専門的に教育する講座はありませんでしたが、島根大学ではこれを専門的に研究する新しい領域であるAcute Care Surgeryの講座を我が国で初めて2016年に設置しました。重症外傷の様々な病態を研究し、救命が難しいと考えられる■死の傷病者を救命するための新しい治療法について研究をしています。特に致死的大量出血を来した患者を救うためのdamage control surgeryと呼ばれる治療手法を専門的に研究し臨床実践しています。本治療の研究と導入により極めて高い救命率を達成するなど成果を上げています。現在、Acute Care Surgeryは島根大学のみが保有する講座です。島根大学はAcute Care Surgeryを学ぶ聖地と言えます。地域医療を支える医師を育てるための「隠れたカリキュラム」地域医療教育講座 教授 長尾 大志地域で患者さんのために真■に医療を提供できる医師、つまりいい医師を育てるために大学として何ができるのか。「隠れたカリキュラム」という言葉があります。表のカリキュラムで「いい医師とはこんな医師です。いい医師になりましょう」と学習者に教えても誰もその通りにしませんが、「いい医療をしている」現場を見せるとそれを真似していい医療をするようになるのです。島根県の病院や診療所、クリニックなどには地域医療に真■に取り組んでおられる先生が多くおられ、総合診療・地域医療実習で、大学医学部の学生がその姿を見て、こんな先生になりたい、こんな医療をやっていきたいと触発されています。地域医療の課題解決から最先端医療まで

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