GUIDE BOOK06地域や世界に貢献できる、最先端の小児科診療と研究環境小児科学講座 教授 竹谷 健小児科では、新生児や循環器、神経、小児がん、内分泌・代謝疾患に対して世界レベルの診療を提供しています。また、島根県の子どもが心身ともに健康に成長発達できるように、新生児マススクリーニングの推進や虐待、発達障害に対する先進的な取り組みを子どもに関わる多くの職種の皆さんと協働して行なっています。さらに、小児がんの病態解明だけでなく間葉系幹細胞やiPS細胞を用いた希少難病への治療開発などの世界最先端の研究も実施しています。地域だけでなく世界に還元できる診療や研究に邁進できるのが島根大学医学部です。高齢者ケアを創造し「老年看護学」を先導する地域・老年看護学講座 教授 原 祥子高齢者ケアにおける重要なポイントは、その人が生きてきた歴史を知ることを通して、個々のニーズや希望を理解することです。私は、高齢者の“人生の歴史を聴く”ことを実践し、そのアプローチの意義を明らかにする研究に取り組み、高齢者とケア提供者の双方にとって有意義であることを検証してきました。人生の歴史に■って高齢者を理解することにより、一人ひとりの個別性を活かしたケアプランを立案し、焦点の合ったケアを実践することが可能になります。「老年看護学」の教育では、高齢者の“人生の歴史を聴く”ことの重要性について強調し、研究で明らかにした具体的な方法論を提示しています。薬理学的思考を習得する3D-VRシミュレーター実習薬理学講座 教授 和田 孝一郎医学部薬理学講座ではよりよい薬物療法をめざし、医学生さんが生涯にわたって自己研鑽を続けていくための「薬理学的思考」を習得していただきます。そのため薬の作用を体感する実習、特に3D-VRを使ったシミュレーター実習を行っています。我々が開発した3D-VRシミュレーターは動物を使用することなく何度でも実習ができ、「経験からの学び」を体感することができます。研究面ではリーキーガット症候群、腸内・口腔細菌と全身疾患発症との関連性、DICにおける血管内皮の役割、食物繊維欠乏による全身疾患発症、等に関する研究を行っています。いずれの研究も疾患発症の原因を明らかにするとともに、発症の予防も期待できることから、最新の研究成果を地域医療の現場へいち早く還元できるように努めていきたいと考えています。
元のページ ../index.html#7