下関市立大学広報 第84号
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10下関の鯨と ふく新たな挑戦 29.10.281400155010083-254-8613The Shimonoseki City University Public RelationsThe Shimonoseki City University Public Relations2018年3月1日 第84号発行:下関市立大学広報委員会〒751-8510 下関市大学町2-1-1TEL. 083-252-0288FAX. 083-252-8099http://www.shimonoseki-cu.ac.jp/下関市立大学鯨資料室開設10周年記念シンポジウム 平成19年度に下関市立大学に鯨資料室が設置され10年が経過し、「くじらのまち下関」に関して地域貢献を果たしてきたことから、平成29年10月28日(土)に資料室開設10周年記念シンポジウムを海峡メッセ下関で開催しました。 地域共創センターのもう一つの柱であるふくを加え、下関の地域・地場産業である「鯨とふく」の新たな挑戦と題して、鯨やふくに関する最新のビジネス動向を市民の皆様に紹介し、下関の経済発展の可能性を論議するという狙いを込めました。シンポジウムの具体的な進め方は二部構成とし、まず第一部として鯨関連、第二部にふく関連の新たな挑戦事例を取り上げ、最後に総括という組立としました。 第一部の鯨では、平成26年度に本学に寄贈された戦前の南氷洋捕鯨資料(中部家資料)の中の鯨油製造統計数値から我が国の南氷洋捕鯨の存立条件を岸本充弘・下関市立大学附属地域共創センター委嘱研究員が検証するとともに、現在下関市で製造されている鯨油を使用した石鹸や魚の餌の研究開発に取り組んでいる「吉田総合テクノ」の吉田幸治・㈱吉田総合テクノ課長と、岩田在博・山口県産業技術センター研究員をパネリストとして加え、鯨油の持つ可能性と地域産業としての将来性が示されました。「~下関の鯨とふく、新たな挑戦~」を開催しました!教授濱田 英嗣(附属地域共創センター センター長) 第二部のふくでは、バイオマスによるトラフグ陸上養殖の実用化を下関市内で目指している㈱EECLの城下隆代表による話題提供、パネリストとして高橋義文・九州大学農学研究院准教授、佐々木満・山口/みなと合同新聞社参与を加え、ふく流通基地である下関が陸上トラフグ養殖を組み込む意義や波及効果が示されました。 シンポジウムの総合討論においては、フロアから鯨資源の可能性として骨や血液の新たな商品化も視野に入れていいのではないかといった発言や天然トラフグ資源が枯渇する中で下関市内に生産機能を持つことで下関フグブランド基盤強化に繋がるといった発言もあり、有意義な記念シンポジウムとなりました。※下関では、フグのことを「幸福」につながることから「ふく」と呼んでいます。

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