下関市立大学News&Topics国内研修 2017年10月から2018年3月末まで、京都大学大学院経済学研究科で地方自治体の雇用・就労施策の理論構築のための研究を行いました。 研究内容は、超人口減少、超少子高齢状態が進み、労働人口の減少が問題視されている中で、高齢者を社会が弱者的扱いにせず、社会を支える人材として活躍する社会を作るのかという高齢者雇用施策に着目した課題に取り組みました。この研究では、博士論文の成果から得られた日常生活や社会生活など基礎的な生活に踏み込んだ支援を重視することが地域雇用を促進させることにつながるという視点により進めることができました。高齢者のみならず、全員参加型社会の中で、あらゆるタイプの就労を促進するための要素が、これらの研究結果に帰着し新たな雇用のあり方についての理論構築が可能になると思われます。 京都大学は、多くの自然にあふれ、多くの文化財に囲まれており、自由に学ぶ校風は、思考を深めるためには最高の研究環境でした。また、京都という生活空間を実感することができました。第53回卒業証書・学位記授与式を開催しました 3月25日(日)に、本学体育館において、第53回卒業証書・学位記授与式を挙行いたしました。経済学科213名、国際商学科225名、公共マネジメント学科81名、大学院生3名の合計522名が本学を巣立っていきました。 学長は、告辞の中で、「皆さんは、これまでの勉学において蓄積した知識をさらに深め、磨きをかけ、これからの激動の時代を生き抜く知恵と力を身に着けていただきたいと思います。」と述べました。また、卒業生を代表して経済学科岡美佑さんは、「私は大学4年間で勉学はもちろんのこと、ゼミやサークル活動を通じて、お互いに支えあい、協力すれば、1人ではできないこともできるのだ、ということを学びました。これから私たちは、下関市立大学の卒業生として、責任と誇りを持って未来へ羽ばたいていきます。」と謝辞を述べました。進化する企業城下町-進化経済地理学からのアプローチ-自著を語る自著を語る准教授外枦保 大介 この度、単著『進化する企業城下町-進化経済地理学からのアプローチ-』を古今書院より上梓しました。博士論文を基に大幅に加筆・修正したものであり、刊行にあたって、2017年度に日本地理学会の出版助成に採択されました。 本書は、2000年代半ば以降、欧米で活況を呈している進化経済地理学の理論を、わが国で初めて本格的に導入した研究書です。立地する大企業が地域に圧倒的な影響を及ぼす「企業城下町」を対象として、企業城下町の研究史、国内企業城下町に関する統計分析を取り扱うとともに、宮崎県延岡市、山口県宇部市、神奈川県南足柄市の事例研究を行っています。 大企業がグローバルな生産供給体制を構築する中で、イノベーションの源泉や企業文化を再生産する、大企業の中核地域として、企業城下町を位置づけていることが示されました。企業城下町だけではなく、ロックインが働いている様々な産業地域への政策的示唆も考察しています。是非ご一読ください。連載企画卒論Pick Up ・ 優秀赤馬賞を受賞して(広島県北広島町におけるスキー観光の衰退と持続的発展への取り組み)(広島県立加計高等学校芸北分校出身) 私は卒業論文で、スキー観光の衰退について研究しました。私は広島県北広島町で育ったため、スキー場の廃業といったスキー観光の衰退を目の当たりにしてきました。しかし、それは北広島町だけの問題ではなく、全国的な問題であることを知り、この問題について深く考えることが地元の将来を考えることに繋がると思い、卒業論文のテーマに選びました。 苦労したことは、廃業したスキー場の情報収集です。存続しているスキー場とは違い、スキー場規模といった情報をなかなか得ることができなかったため、インターネットアーカイブを用いたり、町役場への聞き取りを行なったりして地道に情報を集め、論文内の表を作成しました。 このテーマを選び研究したことで、スキー観光の衰退過程や現状について深く知ることができただけでなく、衰退に対する工夫や努力を知ることができました。 論文を執筆するにあたり、スキー場関係者、町役場、指導教員など多くの方にご協力いただき、心から感謝しております。難波 利光教授6The Shimonoseki City University Public Relations N0.852018.7.1新田 真琴国際商学科2018年卒業
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