下関市立大学広報 第88号
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2The Shimonoseki City University Public Relations N0.882019.7.1新任挨拶対人関係と適応の心理学(教育心理学、教育相談)教授谷口 弘一 本年度4月に着任いたしました谷口弘一と申します。広島、岡山、京都、長崎、下関と、西日本をほぼ一回りするように異動して参りました。  私の専門分野は心理学です。教職課程では、「教育心理学」、「教育相談」、「生徒指導」、「介護等体験実習」を担当しています。ここでは、私の研究テーマについて、少し具体的なお話をしてみたいと思います。家族、友人、職場の同僚などと意見がぶつかったり、言い争ったりしたときのことを思い出してみてください。皆さんなら、そうした状況に対して、どのように対処するでしょうか。以下の3つの選択肢の中からお答えください。①相手のことをよく知ろうとした、②無視するようにした、③自然のなりゆきに任せた。実は、この3つの対処方法のうち、どれを選択するかによって、その人の心の健康状態が大きく左右されてしまうのです。正解は、もしよろしければ、拙著の『対人関係と適応の心理学』(北大路書房)をぜひご覧いただけますと幸いです。  教育・研究・地域社会に貢献できるように、一生懸命頑張って参ります。ご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。経済学の学びを通じたコミュニケーション(政策評価、ミクロ経済)教授奥山 忠裕 本年度より経済学科に着任しました奥山です。本学では、ミクロ経済学や応用ミクロ経済学を担当します。専門は、経済モデルを使った評価論という、ちょっとなじみがない分野をしています。これまで、文化施設が地域にある意味や、観光地間の人の行き来がどう変わるか、生態系が人々のレクリエーションをどの程度楽しいものにしているか、また、災害のリスクをどう回避していくか、といった研究をしてきました。 これまでのゼミでは、消費者問題や、農産品のブランド化など、学生たちの興味関心に合わせたテーマでやってきました。この辺はみんなで相談しながらやりますが、経済事象に沿っているものを選んでもらうようにしています。また、知識を学ぶとともに、「人に伝えたいことを正しく説明する」ことに重点を置きたいと考えていますので、話し方やレポートの表現の仕方なども、みんなで改善案を話し合ってもらいたいと考えています。 この下関での学修や生活を通じて、皆さんとともに成長したいと考えています。よろしくお願いします。英語教育と社会科学研究の接合(応用社会科学、英語教育)教授南 貴子 本年度から英語担当教員として着任いたしました南 貴子です。 研究面では、海外、特にオーストラリア・ビクトリア州の事例を中心として、生殖補助医療によって生まれた家族・子の権利の問題、それを巡る社会政策・法制度の問題について研究してきました。近年では、安楽死・幇助自死などの問題についても研究しています。「生とは何か」との問いは、あらゆる学問を突き詰めていけば突き当たる究極的な課題です。また、「生/死」は国境・人種に関わりなく、人間が共通して避けて通れない永遠の課題です。 私の研究は、ジェンダー、社会学、生命倫理、法律学など、特定の分野にとらわれず、学際的な視点から、海外の先行事例をもとに、その課題について切り込もうとするものであり、研究を遂行するには文献・資料を読みこなす英語力が必要不可欠です。 教育面では、これまで一貫して英語教育に取り組んできました。本学では英語教育を担当するにあたって、何よりも英語を学ぶことの楽しさ、そして、英語を学ぶことにより世界が広がっていく開放感を学生が体感できるような教育を目指したいと考えております。視点を変えること、考えること(アメリカ文学)准教授田吹 香子 4月より着任いたしました田吹香子と申します。大学では英語関係の授業を全般的に担当します。 専門はアメリカ文学で、現在はティム・オブライエンという作家の小説を研究しています。ベトナム戦争に従軍したオブライエンはその経験を作品の題材とすることが多く、そのため世界中の研究者たちのほとんどが彼を「戦争作家」と位置付け、戦争が彼の作品に与える影響について論じています。しかし、私自身はそうは捉えず、戦争のさなかや復員後のアメリカでの生活の中で感じる「居場所のなさ」といった「語りえぬ出来事」が彼の作品の中でいかに表象されるかという点に着目しています。そして、授業でも文学研究同様「アングルを変えて物事を見る」ことを実践し、学生とともに深く考え、話し合うことが私の楽しみの一つとなっています。 本学で非常勤講師として8年間授業を担当してきましたが、大学という組織で専任講師として働くのはこれが初めてです。研究スピードも遅く、大学に関しても右も左も分からず不手際な点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

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