下関市立大学 大学案内 2021
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ちろん重要ですが、「現場での生きた学び」が可能なフィールドワークは教室では学べない地方のリアルを知ることができ、いずれは地元で学びを生かしたいと考える私にとって大きな魅力です。松本先生が考えていらっしゃる学科の魅力は何ですか?松本 経済についての基礎を学びながらも、実習を通じて地域社会への理解を深める授業が充実しているのがこの学科の特徴です。末武さんのおっしゃる通り、フィールド調査を通じて行政や地域の現状や課題を理解したり、統計データなどに示された情報の本質を実際に携わる人から直接聞いて理解したりすることで、地域社会における課題を分析し、解決策を考える力が身につけられることが最大の魅力だと私も考えています。学科名の通り、公共のマネジメントを実践するために必要な知識・能力を体験的に学べる学科なので、地方創生に興味のある末武さんには最適だと思いますよ。3年生以降は専門性の高い応用科目が多くを占めるようになり、ますます意欲的に取り組めているのではないですか?末武 1年生で受講する「公共マネジメント入門」は経済学と公共マネジメントに関する基礎中の基礎を学ぶものでしたが、今は内発的発展論や地方自治論など、ずっと専門的で高度なものを学んでいます。さらに先生のゼミに所属してフィールドワークを重ねたことで、これまで見えなかった社会の課題やコミュニティが抱える問題に気づけるようになってきました。「自分で課題を見つけ、自分なりの解決方法を見出す」ことが求められるのが大学なのだ、と痛感しています。あらかじめ答えが決まっている高校までの学びとは全く異なり、他の人と違う答えになることも多々あります。そこで他者の意見や考えに耳を傾け、受け入れようとする寛容さも身につけ…と、経済学を追求しながら、人間性を磨いているような感覚もあり、毎日が本当に充実していますね。末武 先生が学生たちに伝えたいことはなんですか?どんな社会人になって欲しいと思っていらっしゃるのかも教えてください。松本 学科としては、経済学に加え、マネジメントの理論と実践を学び、それをもとにコミュニティ が抱える公共的課題の対策を企画・調整するた めの、調査・分析・発表・コミュニケーション能力を養成することが方針です。私はそれらの能力を身につけるために、学びの中でできるだけ多くの人々と関わってもらい、社会にはいろんな人がいて、それぞれが自分なりの考えを持っていて、そういった人たちが共存するためにはさまざまな方向に多彩な可能性があることを知ってもらいたいと思っています。これからの日本、特に過疎地域において快適に暮らしていくためには、様々な考えを持った人たちと歩み寄れることが大切になってきます。これからは「抜きん出る力」だけでなく、「一緒にやっていける力」も確実に必要になってきます。それを身につけた人たち、フラットな視点を備えた人たちこそが地域が抱える問題を解決するキーパーソンになると考えています。ですから視野が広く、柔軟な考えができる人間に育って欲しいと思っていますね。末武 先生はよく「何事もまずは批判的な目で見ろ」とおっしゃいますね。他者の意見や考え全てを鵜呑みにするのではなく、自分で考えることを放棄するなという意味であり、フラットな視点を備えろということだと理解しています。もっともっと様々なものに触れ、視野を広げていきたいです。松本 末武さんはもう具体的に将来の目標を決めていますか? そのためにもっと学びたいことはありますか?末武 まだ何の仕事に就くかは決めていませんが、いずれはここでの学びを地元に持ち帰って地域活性化に活かしたいです。地元以外で就職した場合も、将来的には地元に帰り、「まちづくり」に携わりたいと思っています。また、地元に限らず、いろんな地方の創生に関わってみたいという夢もあります。全ての人が「地元に帰りたい」と思えるような地域づくりを各地でしてみたいですね。そのために、残りの大学生活の中でこれまで以上にいろんな人と関わって、できるだけたくさんの人の暮らしや考えを知ることで社会への知識をさらに深めておきたいです。松本 「全ての人が地元に帰りたくなる社会」ですか、素晴らしいですね。地元に関心がある末武さんらしい将来のビジョンだと思います。その気持ちを大事にしてこれからも進んでいってください。フラットな視点を備え、歩み寄れることが大切広い視野を持つことがキーパーソンの条件中嶋 健 教授【専門分野】 日本スポーツ産業史【担当科目】 スポーツ産業論、スポーツマネジメント論、スポーツ政策論ビジネス化するスポーツは、私達の生活を本当に豊かにするのでしょうか?スポーツに関わる様々な社会科学的基礎知識を知ることにより、現代社会におけるスポーツ文化の意味と価値を知ろう。松本 貴文 准教授【学科主任】【専門分野】 農村社会学【担当科目】 公共マネジメント実習、まちづくり論、内発的発展論講義や実習などを通して、住民の生活や地域社会の仕組みを理解し、これからのよりよいまちづくりのために何が必要かを考える授業を行っています。水谷 利亮 教授 【専門分野】 行政学【担当科目】 現代政治学、行政学、地方自治論消費税や安全法則などのあり方も私たちの生活に結びついています。政治・行政のあり方を批判的に分析・考察する視点を学びます。31SHIMONOSEKI CITY UNIVERSITY大学院経済学研究科地域交流国際交流キャリア支援キャンパスライフ入試情報経済学部経済学科国際商学科公共マネジメント学科「公共マネジメント実習Ⅱ」フィールドワーク風景

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