公立大学法人山陽小野田市立山口東京理科大学 学長MOCHIZUKI Masataka 望月 正隆東京都立戸山高校から東京大学薬学部、修士課程、博士課程を経て、薬学博士。ニューヨーク州立大学化学科とシカゴ大学化学科で博士研究員を勤め、帰国後は財団法人東京生化学研究所で研究。次いで共立薬科大学有機薬化学講座教授、学長を務めた。東京理科大学薬学部教授の後、山口東京理科大学薬学部教授、本年4月に学長に就任。日本私立薬科大学協会学長協議会会長、薬学教育協議会代表理事、薬剤師認定制度認証機構理事、全国薬科大学長・薬学部長会議会長、日本薬剤師研修センター理事、薬学共用試験センター理事長、薬学教育評価機構総合評価評議員、厚生労働省薬事・食品衛生審議会会長などを歴任。 今年度の山口東京理科大学は多くの大学と同様、異常な形でスタートしました。2月27日の政府による休校要請を受けて、全国小中高校とほとんどの大学も、春休みまで新型コロナウイルスの感染拡大防止のため自宅待機となりました。4月に入っても感染拡大は収まらず、本学も大学閉鎖の状態が続きました。 4月1日に予定しておりました新1年生の歓迎の式もできず、2年生以上の学生ともどもキャンパス入構禁止のまま、新学期が始まりました。5月11日からすべての授業がオンライン講義となり、原則として自宅で受講することになり、今日に至っております。講義をする教員は学生の顔を見ることなく新学年が始まりました。 いずれは新型コロナウイルスを制圧して、通常の形の授業となるはずですが、今のところはいつからとは言えない状況です。少なくとも、夏休みの大半はなくなりそうです。 このような状態は決してよくはありません。エンジニア(技師)を目指す工学部学生は、医療機器の多くが間に合わない現状を見て、将来の医療工学の方向を夢見るのかもしれません。また、ファーマシスト(薬剤師)を目指す薬学部学生は、治療薬の研究や患者への投薬による役割に目覚めていただけると期待します。 大切なスタートのときに多くの時間を奪われてしまいましたが、その分、今後の学習・研究で取り戻し、さらに上を目指して進んでください。ニュートンが万有引力の法則を発見したのはペスト感染で大学が閉鎖されていた時だそうです。また、湯川秀樹が中間子理論の出発点をつかんだのは室戸台風で大学が休みの夜だったそうです。みなさんは山陽小野田市から山口、日本、そして世界に羽ばたきましょう。コロナで傷めつけられた世界の医療と工業、および世界と日本の経済を修復して、再び、山陽小野田市に戻ってきてください。山口東京理科大学はその日を楽しみに待っております。学長からのメッセージMessage from President01
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