薬学科 教員・研究紹介科学研究では、何が(定性)、どれだけ(定量)、どのような状態で存在しているかを明らかにすることが重要であり、その方法論を学ぶのが「分析科学」です。薬学生が理解しておくべき、医薬品を含む化学物質の定性・定量分析、薬局方の一般試験法、TDM(血中薬物濃度測定)をはじめ、最近の分析法に関する講義を行っていきます。和田 光弘 教授物理化学系 分析科学分野担当分野[博士(薬学)]近年、臨床現場での薬剤師の役割は調剤行為を含む医薬品を供給する専門職もですが、医薬品に関する全ての過程(新薬の開発、薬学的視点に基づく処方設計と提案、薬物療法中の安全性と有効性確保等)に関与するようになりました。現場のスタッフとして臨床現場の内容を大学教育に取り入れていきますので心で感じてみませんか。長年、臨床薬剤師として医療現場で働いていました。現場での経験・知識などを活かし、科学的根拠に基づいた薬の適正使用を推進し、“現場に必要な本当の薬学的基礎知識”を伝えていく必要があると考えています。今も臨床現場において消毒薬の不適切な使用が少なくありません。そこで、消毒薬の問題(不適正使用・副作用)や医療用具機器・環境・医薬品などの微生物汚染とその衛生管理に関する研究、さらに感染制御領域において社会貢献できる薬剤師の育成を目指しています。薬剤師の仕事は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものと、法律で定義されています(薬剤師法第一条)。薬物治療学では、薬を正しく安全に使っていただけるよう、患者やその家族などに助言する知識を学びます。薬(モノ)の知識を復習することはもちろん、ヒトへの適応を考える機会と考えてください。大学病院と薬学部で、薬剤師業務・臨床・基礎研究に従事してきました。臨床現場では特定の薬効は明確でも、詳細な作用が不明な医薬品が多くあります。臨床現場の課題について、臨床薬学的および基礎薬学的な手法を用いて解決策を考案し、迅速に臨床現場へフィードバックする研究をしています。山﨑 博史 教授臨床薬学系 実務薬学分野担当分野[医学博士]頼岡 克弘 教授臨床薬学系 薬物治療学分野担当分野[医学博士]有海 秀人 准教授臨床薬学系 薬物治療学分野担当分野[博士(薬学)]体内には“よそ者を食べる”ことで健康維持に寄与する細胞がいますが、その振舞いは神経系による調節から独立しており、まるで2つの“意思”が1つの身体に宿っているかのようです。この不思議さに心惹かれ、かつこの細胞の異常が疾患の基礎と信じ、日々研究に勤しんでいます。伊豫田 拓也 准教授生命科学系 病態生化学分野担当分野[博士(理学)][博士(薬学)]専門は微生物です。微生物は進化的にヒトの祖先ですので、ヒトに通じる細胞の設計図や発がん原理を理解するためのまさに基盤です。微生物は人体に共生するだけなく脅威ともなり、疾病制圧に向けた取組みが必要です。皆さんが微生物の重要性・発展性に気づくきっかけ作りと、最先端の研究で貢献します。川上 広宣 准教授生命科学系 生体防御学分野担当分野相良 英憲 准教授臨床薬学系 医療安全学分野担当分野[博士(医学)][博士(薬学)]超高齢社会を迎えた日本では、薬剤師には調剤に加えて病気を未然に防ぎ健康を維持する予防薬学で活躍することが期待されています。この予防薬学関連科目の講義を担当しています。また、環境中の化学物質・粒子状物質や食品成分が健康に及ぼす影響とその予防法を研究しています。立花 研 准教授健康科学系 衛生化学分野担当分野[博士(薬学)]大学では物理を勉強しましたが、卒業後企業に入り、実験・臨床開発の解析業務を長年行ってきました。その結果、生物統計が専門となりました。新薬の開発で、最後のステップで承認を得られるかどうかは、臨床試験の結果、即ち統計解析の結果によります。統計解析結果は、企業の浮沈に影響を及ぼします。その意味で、生物統計学はとても重要なものです。いま私の関心のある領域は、コンピュータを利用した推測方法、多次元解析、データベース(場合によってはビッグデータ)を応用した疫学研究です。生物統計も従来の考え方から抜け出し、どんどん変化しようとしています。寺尾 哲 准教授医療薬学系 医薬品評価学分野担当分野[物理学修士]生体内硫黄化合物の産生機構や生理機能について研究しています。研究では、ささいな現象や変化に気付くことで予想外の発見や成果につながることがあります。気付き方は十人十色で個性そのものです。それぞれ磨き上げることができますので、ぜひ追求してみて下さい。以前とは異なる世界がみえると思います。澁谷 典広 准教授医療薬学系 薬理学担当分野51
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