山陽小野田市立山口東京理科大学 研究・教員紹介BOOK 2022-2023
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高校時代に基礎医学研究に興味を持ち、生命科学の分野に。大学院修了後、研究機関で経験を積み、今春より当薬学部に所属しています。(左は大学入学時の写真)山口は、いろいろな生き物や植物が生息する、自然が豊富で魅力あふれる土地です。写真は大学構内で見かけたアサギマダラです。日々研究に明け暮れ、殺伐としがちな研究室ですが、いつも素敵な花を飾っています。目標は松山英樹選手なのですが…。履歴書に「上手くならないゴルフ」と記載し、面接官から同情されました。マウス皮下に植え込んだヒトがん細胞の各薬剤投与後の造腫瘍性の変化(右)と14日間各薬剤を投与した後のマウス皮下腫瘍(左)。(Kugimiya N. et al., J. Cell. Mol. Med., 19, 1569-81, 2015 より一部転載)抗体プレートに膵臓がん細胞由来のタンパク質抽出液を添加し、リン酸化タンパク質の量をスキャナーにより測定した結果の一例。生体にさまざまなストレスが負荷されることで、恒常性維持機構が働かなくなった結果、病気の発症に至ります。小胞体ストレスが抗肥満作用を有するレプチンシグナルを抑制し、肥満の原因になることを明らかにした研究結果です。ARFの分子設計法の概略図で、米国タンパク質学会誌の表紙に掲載されました。薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科大腸がん、膵臓がんに有効な抗がん剤・阻害剤の探究大腸がん、膵臓がんに有効な抗がん剤・阻害剤の探究現在、大腸がん、膵臓がんに対する治療法として、外科的手術、放射線照射とともに抗がん剤投与が広く行われています。しかし、これらの抗がん剤に耐性を示すがん細胞が出現し、再発を引き起こす場合があり、新たな治療法の開発が求められています。そこで、当研究室では、さまざまな抗がん剤や阻害剤を組み合わせて、培養しているがん細胞に添加し、細胞生存率を指標として高い抗腫瘍効果を示す抗がん剤や阻害剤の新たな組み合わせを見出し、そのメカニズムの解明を目指しています。小胞体ストレス関連疾患の発症機構を明らかに小胞体ストレス関連疾患の発症機構を明らかに細胞内の小胞体は、細胞内カルシウムの恒常性維持やタンパク質の正常な折り畳みを担っています。その機能に不具合が起きると、異常タンパク質が蓄積し、肥満や糖尿病などの代謝性疾患、アルツハイマー病やパーキンソン病等の老化関連疾患の発症要因になると考えられています。私たちは、ストレス等の負荷により、小胞体の機能に不具合が起きる原因を明らかにすることで、これらの疾患の発症機構を明らかにし、さらに新しい治療薬の創造をめざし、日夜研究に励んでいます。医薬品の効果を予測できるがん診断の研究医薬品の効果を予測できるがん診断の研究生体内のユビキチン化は、不要なタンパク質の分解などの機能を担い、健康の維持に重要です。このユビキチン化の主な経路を担うE2という酵素が白血病や乳がんなどに関与していますが、複雑な反応という理由から、これまでE2活性を正確に計測することが困難でした。当研究室では世界で初めて人工ユビキチンリガーゼ(ARF)を分子設計し、簡便なE2活性の検出に成功しています(特許第5990308, 5971788号)。この研究を発展させることで、医薬品の効果を治療前に予測できるがん診断が可能になると期待されています。医療貢献におけるエビデンスの構築医療貢献におけるエビデンスの構築多種多様な医療スタッフが、それぞれの高い専門性を活かし、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に適した個別化医療を提供する時代となっています。薬剤師がチーム医療の一員として機能するには、臨床的着眼点・指向性と、臨床的課題を解決するための基礎研究をベースとした論理的思考とを融合できる科学力をもつことが必要となります。当研究室では、基礎と臨床のつながる薬剤師育成に力を入れています。NISHIMOTO, ArataNISHIMOTO, Arata● 博士(生命科学)● 博士(生命科学)■ 生命科学系 基礎薬学分野■ 生命科学系 基礎薬学分野HOSOI, ToruHOSOI, Toru● 博士(薬学)● 博士(薬学)■ 臨床薬学系 臨床薬理学分野■ 臨床薬学系 臨床薬理学分野ユビキチン化に関わるタンパク質のひとつの立体構造を解明した研究成果です。原子レベルでタンパク質の形・特徴を捉えられます。MIYAMOTO, KazuhideMIYAMOTO, Kazuhide● 博士(薬学)● 博士(薬学)■ 物理化学系 生命物理化学分野■ 物理化学系 生命物理化学分野院内の感染発生状況を把握し、手術室空中浮遊菌を調査しました。YAMASAKI, HirofumiYAMASAKI, Hirofumi● 医学博士● 医学博士■ 臨床薬学系 実務薬学分野■ 臨床薬学系 実務薬学分野(Kawamura D. et al., Oncol. Rep., 38, 3238-44, 2017 より一部転載)017 TEPPEN 研究・教員紹介BOOK 2022-2023西本 新 教授西本 新 教授細井 徹 教授細井 徹 教授宮本 和英 教授宮本 和英 教授山﨑 博史 教授山﨑 博史 教授がんのがんの新規治療法新規治療法の開発!の開発!がん治療のがん治療の薬の効果を薬の効果を予測せよ!予測せよ!小胞体の小胞体の機能改善と機能改善と新薬の開発新薬の開発薬剤師に薬剤師にもっともっと科学力を!科学力を!

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