山陽小野田市立山口東京理科大学 研究・教員紹介BOOK 2023-2024
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薬学部薬学部 薬学科薬学科共同研究#片方の立体構造 #不斉合成#がん治療 #生体内のユビキチン化MATSUNAGA, Hirofumi●博士(薬学)■有機化学系 薬品製造化学分野YASUYAMA, Takuro●博士(薬学)■有機化学系 薬品製造化学分野不斉合成を可能にする触媒の基本構造は同じでも、部分構造を変えることで、生成物の右手型・左手型を容易につくり分けられます。MIYAMOTO, Kazuhide●博士(薬学)■物理化学系 生命物理化学分野ユビキチン化に関わるタンパク質のひとつの立体構造を解明した研究成果です。原子レベルでタンパク質の形・特徴を捉えられます。日々研究に明け暮れ、殺伐としがちな研究室ですが、いつも素敵な花を飾っています。ARFの分子設計法の概略図で、米国タンパク質学会誌の表紙に掲載されました。2本のボールペンや右手と左手は、それぞれお互いに鏡像の関係?重ね合わせることができる?野球が好きで、米国留学時には車で4時間かけてミネアポリスまでMLBの試合を見に行っていました。鹿児島県出身です。講義で訛ることがしばしば…。写真は鹿児島の桜島です。安山卓郎助教医薬品の効果を予測できるがん診断の研究医薬品の効果を予測できるがん診断の研究生体内のユビキチン化は、不要なタンパク質の分解などの機能を担い、健康の維持に重要です。このユビキチン化の主な経路を担うE2という酵素が白血病や乳がんなどに関与していますが、複雑な反応という理由から、これまでE2活性を正確に計測することが困難でした。当研究室では世界で初めて人工ユビキチンリガーゼ(ARF)を分子設計し、簡便なE2活性の検出に成功しています(特許第5990308, 5971788号)。この研究を発展させることで、医薬品の効果を治療前に予測できるがん診断が可能になると期待されています。宮本和英教授 必要なのは右手?左手?薬の有効成分の、片方の立体構造のみを効率的に合成!薬の有効成分の、片方の立体構造のみを効率的に合成!野球グローブが右手・左手用と区別されているように、私たちの体は、薬の有効成分の三次元構造を「右手・左手の関係」(お互いが「元の物質」と「鏡に映った物質」の関係で、「鏡像体」といいます)のレベルまでしっかりと認識することができます。見た目は同じようでも、ごくわずかな違いによって、薬の効き目に差が出たり、副作用が起きたりします。私たちは、「鏡像体」が存在しうるような医薬品などの合成の際に、片方の立体構造のみを簡単に、効率的に合成する方法(不斉合成)の開発に取り組んでいます。松永浩文教授がん治療の薬の効果を予測せよ!

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