INOKUCHI, Makoto有機結晶に応力・光・熱の刺激を加え、分子に誘起される歪みや化学結合の変化を調べています。固くて透明なサファイアやダイヤモンドにはさんだ試料に回転を加えて力(ずれ応力)を作用させることで、固体に化学現象を起こさせます。たとえば、ニトロスピロピランはずれ 応力下で 緑 色に変わり、化学結合を力ずくで切ることができます。力の力学的エネルギーを化学結合の化学エネルギーに変換する方法の開発が目標です。IWADATE, Hiromoto近年、さまざまな種類のがんを研究することにより、がん幹細胞の存在が明らかになってきました。がん幹細胞は、正常細胞の幹細胞と同じように、がんの発達、転移や再発に深く関わっています。したがって、がん幹細胞の増殖、維持や分化メカニズムの解明は、がんの治療に大きく貢献することが期待できます。私の研究室では、がん幹細胞の増殖を促進する物質の解析により、がん幹細胞の増殖メカニズム解明を試みています。HOSHI, Hajime光エネルギーの有効利用を目標とし、光エネルギーを電気エ ネルギーに 変 換 する 材 料(光エネルギー変換材料)の研究を行っています。光吸収材料を電子と正孔の輸送材料で適切にはさんだ構造をつくり、太陽電池とすることをめざしています。太陽電池は高いコストが課題でしたが、より低コストの材料で太陽電池をつくることが可能になれば、さらに広く使われることが期待されます。そこで、太陽電池に用いるための新しい材料の研究を行っています。SUZUKI, Katsunori今日では、さまざまな構造や性質をもった無数の有機化合物が知られています。これに典型元素を導入することで新しい性質をもった化合物が合成できます。当研究室では、機能性有機化合物に典型元素を組み込むことで、従来にはない構造や性質、そして機能をもった新物質をデザインします。これらを用いて新しい機能をもつ材料やこれまでにはない選択性、活性をもつ触媒の開発への応用をめざしています。ずれ応力を利用した物質化学の研究がん幹細胞の増殖メカニズムを解明する井口 眞 教授岩館 寛大 准教授光エネルギーを効率よく変換する材料の研究新しい有機化合物を合成し、新物質をデザイン星 肇 教授鈴木 克規 准教授#ずれ応力 #化学エネルギー#がん幹細胞研究 #がん治療貢献#太陽電池 #光エネルギーの有効利用#新物質をデザイン #最先端の分析機器工学部 応用化学科工学部 応用化学科工学部 応用化学科工学部 応用化学科研究・教員紹介 BOOK 2025-2026 010● 博士(理学)■ 物理化学・物性化学● 博士(理学)■ 生化学・分子生物学● 博士(工学)■ 機能性材料、フォトニック材料● 博士(理学)■ 有機元素化学・有機材料化学10年ほど使っている採 点 用 の万 年 筆 です。手間はかかりますが、長く使っていると 馴 染 んで きます。研究 室で自作したずれ応力発生用の回転式高圧セル。ずれ応力下の試 料を顕微鏡で観察し、低温でスペクトルを測定します。ずれ応力を作用させたニトロスピロピラン。ずれ応力を作用させると黄色から緑色に変化します。広島県比婆山にて、トレイルランニングの大会に出場したときの写真です。普段から運動不足解消のため走っています。当研究室で培養している細胞の写真です。左が乳がん由来 細 胞 株 MCF-7、右が肺がん由来細胞株 A549 細胞。研究室で培養した神経幹細胞から神経細胞を分化誘導した写真です。青は細胞核、赤は神経細胞、緑はグリア細胞です。小さい望遠鏡を使って、月などを観ることもあります。いい気 分 転 換 に なります。新しい太陽電池材料として、色素やペロブスカイト化合物の検討が広く行われています。これ は、色素増感型太陽電池の例です。太陽電池は多層膜構造で界面や表面の微細な構造が性能に大きく影響するため、電子 顕 微 鏡で微細構造の観察を行っています。実 験 の 休 憩中の 一枚。気分転換に研究室の学生たちとボードゲームをすることもあります。研究室の実験風景です。反応により得られた化合物を分離精製しているところです。最先端の分析機器(核磁気共鳴分光装置)を使い、生成物の構造を調べます。分子構造を解明するため、いろいろな装置を使います。刺激を加え物質に変化を!これからのがん治療に貢献する!低コストの太陽電池をつくる!いまはない新物質をデザイン
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