OGATA, KojiONO, Hiroshige#口腔ケア #口腔粘膜付着性パッチ製剤OKUYA, Shigeru高齢化が進む日本・我が県では、健康寿命を延ばすことは喫緊の課題です。そのためには、加齢に伴う心身機能低下であるフレイルの予防・対策が□となり、さらにサルコペニアがその主要因であることから、これらフレイル・サルコペニアの適切な対応・予防策が重要です。そこで、フレイル・サルコペニアの当地域での実態調査や、ビッグデータを活用しての全国レベルでの調査・研究を行い、より効率的な介入方法を見出したいと思っています。SHINOHARA, Hisaaki免疫細胞は加齢にともない機能が下がることで、「COVID-19(新型コロナウイルス)のような感染症にかかりやすく重症化する」「自分に対する抗体・炎症性サイトカインを産生し疾患を発症・悪化させる」と考えられています。細胞内で起こる複雑な現象をコンピューターによる計算と細胞を使った実験を行い、免疫 B 細胞の活性化の仕組み、とくに老化によって変わってしまう機能を理解しようとしています。仕組みを理解することで、新しい薬の標的が明らかになると考えています。タンパク質に効率よくはまる薬を設計するシステム開発フッ化物の徐放性を付与したパッチ製剤の開発緒方 浩二 教授小野 浩重 教授健康寿命を延ばすためのフレイル・サルコペニア対策免疫細胞の活性化の仕組みを研究奥屋 茂 教授篠原 久明 教授#健康寿命 #フレイル(虚弱) #サルコペニア(筋肉量減少)#タンパク質 #くぼみ#免疫細胞 #免疫B細胞薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科● 博士(理学)■ 健康科学系健康情報科学分野● 博士(薬学)■ 臨床薬学系医療安全学分野● 医学博士■ 糖尿病、内分泌・代謝内科、産業衛生・保健管理● 博士(医学)■ 生命科学系生体防御学分野生物はタンパク質が機能することにより生きています。それらのタンパク質が普通とは異なる異常な働きを示したときに病気になります。そのため異常な働きのタンパク質を正常に戻すことが薬の役割です。薬となる化合物はタンパク質の表面のくぼみに結合する場合が多く、このくぼみにうまく当てはまる化合物を設計することが薬を見つけ出す近道になります。コンピューターを用いて効率よく、くぼみにはまる薬を設計するシステムの研究開発を行っています。フッ化物の徐放化(徐々に放出する)による口腔内での滞留性向上をめざし、フッ化物含有S/Oサスペンションを浸み込ませた口腔粘膜付着性パッチ製剤の開発を行っています。本製剤は、フッ化物を界面活性剤でコーティングしてフッ化物イオンの徐放性を向上させる手法によるものです。今後、フッ化物イオンの放出制御により口腔内に一定時間の徐放性のある製剤化が実現すれば、低濃度フッ化物の徐放効果を有する口腔ケア製剤として、市場の拡大に大きく役立てるものと考えています。021 研究・教員紹介 BOOK 2025-2026お城をいろいろな角度から眺めるのが好きです。大修理が終わった姫路城は、白鷺城の呼び名のとおり際立つ美しさでした。化合 物の周りには電子が存在し電子の分布の偏りにより表 面 の 電 荷 が 異なっています。図は模式的に示したものです。図はタンパク質の表面にあるくぼみに化合物が結合している分子の構造を示しています。本来このくぼみには生理活性物質が結合しますが、この化合物はそれを阻害しています。岡山では「こしのある讃 岐うどん」を求めて食べ歩いていました。うどん好きの方、山口の美味しいお店を紹介してください!フッ化物を含有した口腔粘膜付着性パッチ製剤の概念図愛犬のコーギー「かのん」との毎朝の散歩が 楽しみであり、こ れ が 私 の フレ イル・サルコペニア予防策ともなっています。「フレイル」は加齢に伴い心身の衰えた状態で、身体的、社会的、精神的な機能が低下し、健康リスクが高まることを指します。身体的フレイルには図のような基準があり、これらに該当する方を早く見つけ出し適切な対応を行うことが重要です。講義でも活躍しているわが家の末っ子、篠原大吉です。免疫細胞の活性化の仕組みを研究しています。コンピューターによるシミュレーションと細胞を使った実験で、新しい薬の標的を明らかにしようとしています。くぼみにピタリ!の薬を探せ口腔ケアの常識をくつがえす健康寿命の延伸を目指しましょう新しい薬の標的を明らかに!
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