SHIBUYA, Shuichi私たち人間は必ず歳を取り老化します。老化を遅らせたり若返らせたりすることで健康寿命が延びれば豊かな生活につながります。細胞老化、酸化ストレス、ミトコンドリア機能など老化に関わる様々な因子に着目し、細胞からマウスまで様々な老化モデルを使って老化メカニズムを解 析しています。骨粗鬆症やサルコペニアなどの 様々な 老 化 疾 患を改善し、超高齢社会に貢献するのが目標です。IMAHORI, DaisukeFUKUSHIMA, Satoshiがんの薬剤耐性と克服の可能性を調べる大気汚染がヒトや自然に与える影響を調べる研究今堀 大輔 助教福島 聡 助教老化モデル生物を用いた組織老化メカニズムの解明澁谷 修一 助教#がんの再発予防 #天然有機化合物#大気汚染 #PM2.5#老化疾患 #早老症 #酸化ストレス #機能性食品薬学部 薬学科薬学部 薬学科薬学部 薬学科● 博士(薬学)■ 健康科学系生薬学・漢方分野● 博士(環境共生学)■ 健康科学系健康情報科学分野● 博士(医学)■ 老化生物学を応用した老年医学がんは、日本における死因第1位の疾患であり、国立がん研究センターの推計では、2020年における罹患数は約101万人と増加しています。がんはリスクの高い疾患であり、その予防と対策は非常に重要です。さらに、抗がん剤治療後に抗がん剤耐性のがん細胞が残存し、再発を起こすことも大きな問題となっています。当研究室では、がんの再発予防をめざし、がん細胞が薬剤耐性を示す原因分子の機能を阻害する天然有機化合物を見出す研究を進めています。「PM2.5」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?大きさは2.5 ㎜の 1000 分の 1 程度。目に見えない小さな物質ですが、呼吸器へのダメージをはじめ、人や自然にさまざまな影響を与えています。私の研究は、走査型・透過型電子顕微鏡を用いて、PM2.5 などの大気汚染物質が、どのくらいの量、どのように訪れ、去っていくかを調べるもの。人が健康に生活するための環境を考える研究です。029 研究・教員紹介 BOOK 2025-2026幼い頃より、植物園に行くのが楽しみでした。休日は公園や植物園で、研究素材となる植物を探しています。写真はフジの花です。研究素材として用いた ユ ズ( C i t r u s junos)の写真。ユズより新規リモノイド配糖体を単離、構造決定しました。こちらは、ナンテン(Nandina domestica)。新規ピロールアルカロイドおよび新規メガスチグマン配糖体を単離、構造決定しました。疲れたときや考えに行き詰まったときなど、よく珈琲を淹れます。自宅では、故郷・天草で買った白磁器を愛用しています。大気中に浮遊している粒子(PM2.5を含む)を電子顕 微 鏡で、1粒1粒観察している様子です。刻々と変化する大気環境の解説例。(上)は大気中の粒子の個数変動。(下)は気温・湿度・気圧変化・雨の記録を同時に表現。あまり詳しくはありませんが日本酒が好きです。写真は地元宮城の銘柄、阿部勘と浦霞。マウスの皮 膚の写真 。上が 正常マウス。下が老化モデルマウスで、皮膚が萎縮します。細胞内の活性酸素を赤 色で検出した写真。老化した細胞はたくさんの活性酸素が蓄積します。めざすは、がんの再発予防!PM2.5の危険性老化を克服するには?
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