静岡文化芸術大学 大学案内 2024
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Curricu Inforl mationカリキュラム/インフォメーションum/SUAC_121卒業研究●臨床社会心理学この講義は、現代社会におけるさまざまな問題に心理学の視点からアプローチし、人間が幸せを感じながら生活するためには何が必要なのかについて考えていく。現代社会が抱えている心理学的な問題には、たとえば、人の成長・発達および心身の健康へのサポート、福祉サービス、家族やコミュニティの問題、犯罪や事故、抗争などがある。これらの諸問題に関する具体的な事象を取り上げ、それらに対する社会心理学の原理や知見の応用を図る。●メディア文化論この授業では、メディアが人々や社会に与える影響や、メディアが生み出す文化について考察する。現在、ITや映像を活用した多様なメディア実践が出現し、私たちの日常世界に浸透している。こうした現在の状況を俯瞰しつつ、その環境を理解するために、新聞や書籍等の印刷メディア、あるいは映画やテレビといった既存の映像メディア等、従来からのメディアが担ってきた役割や意味を考察する。その上で、多様化する現代メディア社会における人々の情報選択やコミュニケーションの実践についての理解を深める。●組織心理学この講義では、組織の中で働くときの人間の行動の特徴や心理について理解することを目標にしている。たとえば、人間の働く意欲を強化し、組織の効率性や生産性を向上させるためには何をどのようにすればよいのか、働く人の心身の健康にはどのような問題が存在するのか、などの心理学的な問題について講義する。代表的な理論や研究事例の紹介に加えて、現在の職場で起こっている問題にも触れながら講義を進行する。また、本講義では、消費者の心理や行動の特性についても扱う。●情報システム論インターネットの普及とWeb2.0を経て、クラウドコンピューティングが普及してきたことにより、情報システムのあり方も大きく変化した。現代の情報システムの仕組みと、これらが形成された発展の歴史について学ぶ。また、クラウドコンピューティングを用いることによって、パーソナルコンピューターだけでなく、最も身近な情報機器であるスマートフォンやタブレットを組み合わせて活用することによる、情報の検索、フィルタリング・収集・整理・発信の手法について実践的に学ぶ。●社会統計分析現代社会では、社会の実状や人の行動・意識に関する社会調査が数多く行われ、それらのデータや分析結果がさまざまなメディアを通して提示されている。この講義では、このようなデータや分析結果を読みとるために必要となる統計学の基礎的な知識について理解することを目指す。さらに、表計算ソフトを使った実習を通じて、データの基礎集計、2変数間の関連分析、そして重回帰分析を中心とした多変量解析の一部について実践的に学んでいく。●質的調査法昨今、社会科学の有効な調査法として「質的調査法」が注目されている。そこで、授業では、この調査法をめぐる状況を解説した上で、インタビュー調査や参与観察など「質的データ」の収集方法に必要な技法を説明する。次に、「グラウンデッド・セオリー」や「KJ法」ならびに「言説分析」など他の分析手法を解説することを通して、「質2024年度 カリキュラム●学術情報論図書館情報資源のうち学術情報に限定し、学術コミュニケーション、情報利用者と情報探索、計量情報学の基本、学術情報流通のための取り組みについて解説する。さらに大学図書館と日本の学術情報流通基盤の現状と課題についても解説する。同時に、大学図書館などを活用して、学術情報を効率的に収集するための知識と技術を身につけさせることも目的とする。●人文地理学地域にみられる人文現象を地域的視点から明らかにするのが人文地理学である。この科目では、主として地理学説史・人口地理学・都市地理学・集落地理学的な観点から地域を明らかにすることを目的としている。なお、人文地理学的な地域分析法についても扱う。●地誌学地誌学とは地理学の2大分野の一つであり、自然地理学、人文地理学などの系統地理学と相対し、地理学を総合的に究明することを目的とする学問である。地誌学においては、地球上の諸地域の自然・社会・文化などの特性を研究・記述することを重視する。本科目では、日本のほかに海外の特定地域を対象に選び、それぞれの地域的性格や地域的問題を総合的に検討する。●社会理論社会科学の基礎的な概念と理論を習得することにより、身近な日常世界から日本社会、国際関係、歴史的変化などの大小様々な事象の背景にある「しくみ」をより総合的に把握する能力を伸ばす。社会学の古典や近現代の理論を中心に、それぞれの類似点・相違点など相互の関係を明らかにしながら解説する。様々な理論を社会における身近な問題や事例を理解する際に、知的な道具として積極的に活用できるようになることを目標とする。●情報法学この授業では、まず「情報」の意味について考える。次に、知る権利と情報公開制度、プライバシーの保護、名誉毀損、わいせつ規制など、情報の流通過程における個人の権利について詳しく述べる。さらに、コンピュータとインターネットで結ばれた情報化社会に特有な犯罪、セキュリティの確保、情報倫理なども検討する。●公共デザイン戦略公的組織(政府・自治体とその関連組織やNPO等)や民間企業は、社会的課題の解決や組織目的の達成のために、広く公共社会(とその構成要素である団体・個人)を対象として施策や活動を実施している。公的組織や民間企業がこうした施策・活動を企画立案し、実施することを本科目では「公共デザイン」と呼ぶことにする。本科目では、公共デザインのさまざまな態様に応じて、それらを有効に実施するための戦略のあり方を論じることを中心的課題に据え、そのために必要な理論や方法論、さらには公共デザイン戦略の具体的な実践方法を解説する。的データ」分析法の多様性を理解する。さらに、ゼミ論文や卒業論文作成のための調査を念頭に置き、被調査者との関係など「倫理的な問題」についての理解も深める。●自然地理学自然地理学は、気候・地形・水文・植生・土壌等の観点から、地域の自然環境を総合的に探究する学問である。本科目では、地理学や気候学を中心にして、地形的形成や地域的な環境特性を体系的に整理する。さらに、自然環境と人間社会の関わりにも目を向け、地球規模では地球温暖化や酸性雨、地域規模では自然災害などさまざまな自然環境の人間生活への影響や、逆に人間生活が気候をはじめとする自然環境に与える影響について考察する。●外国語文献研究英文をはじめとして外国語の文献を読むことは、大学における学習や研究において不可欠な行為である。しかもグローバル化やインターネットの普及により、外国語のリテラシー(特に読むこと)の重要性はますます高まっている。本科目では、複数の担当教員の中から自分の関心がある専門分野の教員を選び、その教員のもとで外国語文献(書籍、論文、その他の文書)を講読し、外国語文献の読解能力を向上させるとともに、関心領域について知見や理解を深め、自身の学習・研究に役立てることを目指す。●文化政策演習Ⅰ2年次までに身につけた教養・知識・技能等を基礎として、指導教員による綿密な指導のもとで、専門性を高めるとともに、調査・研究や企画立案の手法を習得する。また自らの関心領域やテーマを具体的に定めていく。なお文化政策演習Ⅰと文化政策演習Ⅱは、原則として、同一の指導教員のもとで連続的に受講する。●文化政策演習Ⅱ文化政策演習Ⅰの成果を引き継ぎ、原則として同一の指導教員による指導のもとで、専門性や調査・研究・企画立案の技能をさらに高める。また関心領域における調査・研究や企画立案を実施するほか、卒業論文・プロジェクトのテーマ探索等にも取り組む。●文化政策演習Ⅲ文化政策演習Ⅰ・Ⅱの成果を踏まえ、指導教員による綿密な指導のもとで、自らが取り組むテーマを選定し、そのテーマに関する専門性をさらに高めた上で、学術的な研究や課題解決型の企画立案プロジェクトを進めていく。なお文化政策演習Ⅲと文化政策演習Ⅳは、原則として、同一の指導教員のもとで連続的に受講する。●文化政策演習Ⅳ文化政策演習Ⅲの成果を引き継ぎ、原則として同一の指導教員による指導のもとで、学術的な研究や課題解決型の企画立案プロジェクトをさらに進めていく。●卒業論文・プロジェクト大学における学習・研究の総仕上げとして、自らが設定したテーマに関する調査・研究活動を行い、その成果を卒業論文またはプロジェクトとして具体化する。卒業論文とは、学術的な論考をまとめたもので、新たな知識・知見を生産するものである。一方、プロジェクトとは、学術的な調査・研究活動の成果を社会に対して具体的な提案や行動として還元するものであり、知識・知見を社会に応用するものである。卒業論文やプロジェクトが具体的にどのような条件を満たすべきかは別途定める。

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