静岡文化芸術大学 大学案内 2024
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Curricu Inforl mationカリキュラム/インフォメーションum/SUAC_125デザイン基礎●デザイン概論デザインを初めて学ぶにあたって、本講義では近・現代のデザイン思想や様々なデザイン領域における試行の歴史的な変遷を通して、デザイン行為の基本となる発想や考え方を体系的に学修する。多様化する生活様式・ものづくり・情報伝達・住環境・社会システムを踏まえ、各領域(デザインフィロソフィー、プロダクト、ビジュアル・サウンド、建築・環境、インタラクション)のデザイナーとしての職能やそのあり方、活動分野、今後の展開を考える。●デザインマネジメント現代社会におけるデザインの果たす役割について、消費者の動向や企業の活動実態を事例として取り上げ、デザインマネジメントの視点から製品の企画、開発、設計、デザイン、生産から販売活動に至るまでのトータルなプロセスとデザイン組織の管理、意思決定、および評価の構造を学習する。それにより、拡大するデザイン活動とその対象領域を把握し、ビジネスにおける新たな価値創造を実現するための、戦略的なデザインマネジメントの重要性について理解し、考察する力を身につける。●デザイン美学デザインの歴史を、デザインに関わる諸概念から俯瞰することで、事象に対する視点や考え方、造形の仕組みの読み方を学ぶ講義である。受講者は、様々な時代、様々な立場の考え方がどのようにデザインと造形に結びつき、どのようなものが作られたか、それらにどのような意味が込められたのかを探究し、デザインの世界と私たちの人間や社会に対する認識との関係について考察する。●デザイン思考デザインの現場をはじめとして、技術開発、企業経営、ブランディング、フィールドリサーチなどの現場で有効にはたらくデザイン思考の事例を概観し、ブレインストーミング、ワークショップ、エスノグラフィーなどの方法論を取り上げて体験学習する。さらに、発想や開発に関わる、視覚化・協同・自己表現・身体化、企業経営やブランディングに関わる、領域横断・総合化・構造化・共感、フィールドリサーチに関わる、観察・参与・感情移入・仮設推論などのデザイン思考の手法を論ずる。●くらしのデザイン人々の様々な暮らしの中から創造されるデザインについて、住まう・使うなどの生活行動を中心に、ヒトとモノの関係性、モノとモノの関係性がデザインの大切な要素であることを学ぶ。また、街並みや公共空間、住宅や製品などのデザイン事例から、生活者の不満・不足・願望の抽出を行うことで改善点を求め改良がなされたこと。そして、それらが新たなアイデアやデザインへ導かれたことを学ぶ。さらに、暮らしの中に内在する諸問題点・課題点の発見と抽出を行い、デザインの要素・要件を導き出す生活起点発想のデザインを学ぶ。●技術史有史以来、道具や技術の発明に支えられた私たちの生活文化の革新史は、ものづくりの文化2024年度 カリキュラム史ともいえる。ものづくりにおいて、人々が何を考えてきたのか、またつくられたものや思考から現代の私たちの暮らしにつながるものは何かについて考える。本授業では、技術の進歩によって何がもたらされたのか、単なる技術的な発展にとどまらず、多角的に考えることを通して、現在のものづくりやデザインへの接続点、私たちが取り組むべき問題を見出していく。●現代デザイン論業界の先端で活躍する複数の講師によって展開される講義である。毎週系統立てて設定されたテーマに基づき、その専門の講師が担当する。多様化するデザイン業界の状況を知り、個性あふれる講師陣の実体験や持論を理解することで、デザインの世界の幅の広さや深さ、学生本人の将来像を考えるきっかけにするための知識を深める。デザイン学部の各領域の関係性や分野の関連、デザイナーの役割、職業や職種についての知識、プロフェッショナルとしてのポリシー、デザイン実務の内容など学生にとって知られざる現実を知る。●情報処理基礎情報社会におけるデザイン業務に必要とされる、情報リテラシー(情報の収集、分析、問題解決、発信するための能力)を習得し、デザインにおける課題解決やプレゼンテーションに応用できる能力の修得を目的とする。コンピュータによる文章作成、データ処理、および図形処理スキルを身につけるとともに、コンピュータのハード・ソフト、ネットワーク等の基礎的な概念もあわせて学習することで、デザインの専門教育や卒業研究・制作など大学で学ぶ上で必要な知識と技術を身につける。●情報処理A現代のデザイナーにとっては、外観や形状だけでなく、内部構造や機能そのものまでもがデザインの対象となる。多様な機器において、機能を実現するための核となるのは「情報処理」である。本科目では、この「情報処理」を理解し、「情報処理」の知識やセンスを活かし、現代に求められるデザインを実践できる能力を育成するための情報リテラシー教育を行う。情報処理の歴史、情報処理技術が活用される最新の現場の状況、アルゴリズムの基礎等について学習する。●情報処理Bプラットフォームとしてのコンピュータ/インターネットの理解、「HTMLソースを読める/書ける」基礎的理解、JavaScript等の活用、スタイルシート(CSS)による統一されたデザイン作成、サウンドやマルチメディア・コンテンツの活用手法など、ウェブデザイナーとして高度なコンテンツを実現するための情報処理的な背景を理解していく。あわせてセキュリティ・プライバシー・知的財産権について基礎から最新状況までを理解する。●情報環境論情報技術と社会、情報技術と暮らし、および情報技術と産業の関わりについて、電子メディアや情報処理、通信ネットワークなどの変化動向を概括しながら、情報化社会における社会環境や生活環境について、具体的な技術開発、標準化、およびマーケティング事例を含めて学習する。それらを、情報社会全体として捉え、デザインの役割とあわせて考えていくことで、新しい情報化社会において、生活文化・産業に寄与できる基本的な考え方を身につける。デザイン技法●造形芸術論造形芸術のあり方を認識するために造形作品および作家等を具体例として紹介することで、その歴史や活動内容また現代における評価や影響等を考察し、それらの造形表現に伴う技術および技法・様式や素材等にも焦点を当て理解を深める。またそれら造形作品および作家等に関係もしくは影響のある作品や人物、さらに古代から現代に至る美術や文化等も考察することにより造形芸術への理解を深め、現代社会における造形芸術のあり方を学ぶことを目的とする。●色彩計画論配色がもたらす効果や実際のデザイン現場での色彩の利用法等、より実践的な理解を促すことを目的とする。色彩知覚の仕組みや色の三属性、マンセル表色系といった基本事項の理解をベースとして、各色相系がもたらす心理的効果や配色のテクニック等、実際の制作に反映できる内容を修得する。加えて、印刷媒体、パッケージ、プロダクト、インテリア、都市環境等、各領域での色の使い方の代表事例を紹介しより身近なツールとしての「色」を意識できるようにする。●デジタルプレゼンテーションコンピュータを活用したデスクトップパブリッシングを中心に、ビジュアルデータ(文字および文章、記号と図形、表、イラスト、写真、映像や音等)を解りやすく、正確に、無駄なく伝える手法を学ぶ演習。媒体別の表現方法の違いを意識しながら、同時に口頭でのプレゼンテーション能力も高めることを目的としている。講義、演習、プレゼンテーション実践を相互に組み合わせながら、プレゼンテーションツールを習得、特徴を把握していく中で、最適な手段、戦略を模索していく。最終的には、プレゼンテーションデータと合わせて、ポートフォリオ等を制作する。●Design Englishグローバル市場に対応するデザイン開発に必要な英語コミュニケーション、特に辞書や学習書だけでは習得の難しいデザイン表現のための英語を学ぶ。デザイン検討やプレゼンテーションに使われる英語を中心に、色・形・機能などのカテゴリーごとに学習し、各カテゴリーに関するディスカッション能力を身につけ、デザインの目的や手法についてプレゼンテーションを行う。●建築図学・製図建築設計製図に必要な図学的把握と適切な表現のための製図技術を習得する。図面の表現と意味を理解することにより、正確な図面表現力を身につけデザインを伝達する技術を獲得するとともに、図面を正確に読み理解する、図面の読解力も身につける。図学では、図形の正確な描き方、立体の平面的表現方法について論理的に学び、製図では建築製図の諸規則等を学び、具体的事例の図面の作図等を通じて、建築設計製図表現技法を習得する。

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