Curricu Infor l mationカリキュラム/インフォメーションum/SUAC_127専門科目学科専門2024年度 カリキュラム●生活環境論人の知覚・機能は一様ではない。様々な要因によって機能・特性が異なる場合が多々あり、生活に支障が生じた状態が「障がい」と呼ばれる。人の多様な特性や障がいについての解説と、当事者ゲスト講師からのお話などを通して、異なる特性を持つ人の生活環境における様々な状況やバリアの課題を探り、日頃当たり前だと思っていたことが当たり前でないこと、デザインに何ができるか、などについて考察する。講義を通じて「相手の立場に立って理解し配慮する」というデザインの基本スタンスを習得する。●健康・福祉のデザイン超高齢社会にあって人は今まで以上に健康・福祉に向かい合って生きていくことになり、健康・福祉を支える機器の重要度が増している。また環境の変化や人々の生活の変化などから新たなニーズが生まれ、技術進化とともに様々な機器が開発されている。講義では健康や福祉に関する代表的な製品や新しく開発された製品を例に取り上げて、社会的背景、開発プロセス、製品の特徴、使用状況の実際を理解する中から、社会と人と製品とのデザインの関係を考察し、プロダクトデザイン開発に必要な要件について学ぶ。●人間工学人間にとってよりよいモノや空間をデザインする際に必要となる人間工学の概念や手法について学ぶ。人間工学に関する研究の歴史的背景や現代の企業における応用例などを通し、使用者を中心に据えた製品や空間について企画・検討する力を養う。また、人間工学分野で活用されている各種の測定手法や設計時に使用される既存データに関して、生物学的側面および心理学的側面から概説した上で、その具体的な取得の手順についても解説する。●基礎演習A デザイナーに必要な幅広い知識と総合的な判断力、豊かな人間性と創造性を養うためデザインの基礎を学ぶ演習である。ここでは、「産業としてのデザイン」「生活におけるデザイン」「人間の特性とデザイン」「コンピュータによる造形デザイン」「デザインの歴史的変遷」「情報のデザイン」などデザインを論理的に捉えるため、初めに、我々の生活に内在する諸問題を明らかにして、その解決方法を導き出す考え方を学ぶ。次に、製品・器具・道具などについてその操作などから内在する諸問題を導き解決方法を明らかにする考え方を習得する。●基礎演習B プロダクトデザインの目的、デザイン方針の立て方、スケッチ描画やモデル制作の基礎的な手法、およびプレゼンテーションまで、一連のデザイン作業の概要を体験する。主に人間が使う道具を教材として、体に触れる部分はどのような形状が機能的で、美しく、使いやすく、そして心地よいのかを考察し、それらを実現するために必要な考え方や、どのようなことについて配慮をすればよいのかを学び、プロダクトデザインの要点を習得する。●基礎演習C 効果的な視覚表現を実現するために、グラフィックや映像デザインの基礎スキルを身につけるとともに各自の美意識の研鑽を図る。実際には、「グラフィック」と「映像」の2つの専門があり、それぞれ静的または動的なアプローチでビジュアルデザインを学ぶことに重点を置く。具体的に「グラフィック系」では、コンピューターの使用をベースとして、文字やレイアウトなどに関する基礎知識を習得し、「映像系」では、コンピューターやカメラ等をベースとして、撮影及びモーションの基礎知識を習得する。 ●基礎演習DⅠ(1年後期のみ)建築・環境設計実技のスタートとなる最も重要な演習の一つである。都市の中心部にある具体的な公園敷地において、機能が限定されている小規模な公共施設物、複数の機能が含まれている中規模公共施設物、そして多様な機能を有する私的単体施設物という3つの課題に対する設計行為と各自がデザインした作品の発表を経験して、計画理念の重要性とプレゼンテーション(相手にわかる発表行為)としての製図の役割を知り、空間デザインの厳しさと楽しさを学んでいく。●基礎演習DⅡ(2年前期のみ)基礎演習DⅠでの学習を展開し、建築・環境に関する基礎的な空間構成の手法と、それらの表現方法を修得することを目的とする。建築・環境の空間構成に関する基礎的な演習課題についての検討・計画・設計と、それらの作品としてのとりまとめ、プレゼンテーション等を通じて、建築・環境に関する設計の基礎知識、基礎技術を修得するとともに、設計意図を模型、図面等により表現するための基礎技術を習得する。●基礎演習E人間の行動を的確に捉え、意味づけすることで、製品やシステムと有機的に結びつけることを目的とするインタラクションデザインについて、2024年度 カリキュラムユーザー(ヒト)に働きかけるデザイン対象(モノ)としての「デジタルエレメント」をテーマに、自らの手で制作する基礎的な電子工作を含む演習を通してその概念を学習する。それにより、ハード(外観デザイン)とソフト(インターフェースデザイン)の関係性に配慮した人間中心設計の基本的な思想を理解する。●基礎演習F日本の伝統建築や伝統工芸に関する知識と技術の概要を学習し、匠領域の学びに向けた基礎的な演習を行う。伝統技能の初歩的体験を通して、日本の風土に合った素材や技法、デザイン、さらに「ものづくり」と向き合う姿勢について学ぶ。日本の伝統の上に、新しい空間やデザインを創出し、各産業分野と協働して展開するための素養を身につけることを目標とする。 ●アニメーション基礎〈ものに生命を吹き込む魔法〉としてのアニメーションの基礎を学ぶ。手描きアニメーションにおけるキャラクターの動きがどのように設計され映像的シーケンスとしてどのように実現されるかを、作画を通して体験することによりCGやFlashなど様々な映像手法へと応用可能な〈動きのデザイン〉の基本原理を習得する。描いた原画を中割りして動きをつけてゆく基本的な作画工程の実習に加え、ストップモーションやピクシレーション等手描き以外のアニメーション技法についても体験的に実習する。●インターフェイスデザインⅠ日常生活で用いられる家電製品や通信機器、公共機器の情報化や高機能化が急速に進んでおり、それらの操作方法も大きく変化している。ユーザーがわかりやすく、使いやすい製品機器を提供することがデザイナーにとって重要な課題の一つとなっている。本講義では、具体的な事例を取り上げながら、使いやすいユーザーインターフェイスの実現に必要な要素技術の理解と、それらを活用したデザイン手法の基礎を修得してもらう。●インターフェイスデザインⅡ本講義では、生活機器と生活環境におけるインターフェイスのデザイン手法の応用力を身につけることを目指す。各種機器や環境でのユーザーインターフェイスをよりわかりやすく使いやすくするために、ユーザーの行動分析からアイデア発想を行い、ペーパープロトタイピングに至るまで一連のデザインプロセスを理解してもらう。そしてその結果に基づいて、魅力的で親しみやすさの感じられるインターフェイスデザインを提案してもらう。●インダストリアルグラフィックス都市空間の中のサインや看板などに書かれている文字標識やマークデザインの扱い方、工業製品であるパッケージ、バイク、電車、スポーツ関連機器などの色、文字、模様のグラフィックデザインを紹介・解説した上で、それらの社会的背景や文化、時代などを比較・考察する。それにより、プロダクトデザインや建築から都市空間までの、広い人間の生活環境に及ぶグラフィック領域と諸分野と密接の関わりについて理解し考察する力を身につける。
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