静岡文化芸術大学 大学案内 2024
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Curricu Inforl mationカリキュラム/インフォメーションum/SUAC_1292024年度 カリキュラム●プロダクトデザインプロセスデザインを製品として具体化していく上で必要となる要素を学習する。「家電」「通信機器」「生活設備」「自動車」等、様々なプロダクトデザイン分野を想定し各々の特徴ある業務プロセスや表現技術、専門知識、必要とされる技能などを中心に製品デザイン現場の実際を学ぶとともに、関連する国内外の市場情報や文化情報、技術情報等の紹介も行う。将来の進路選択も視野に入れて、デザイン業務の現場における実際の作業内容や作業環境への理解を深める。●プロダクトデザイン演習Ⅰドライヤーなどの家電機器を題材に、製品デザインの入門的な演習を行う。市場調査、機能・構造の理解、コンセプト立案、アイデア展開、モデル製作・検証、プレゼンテーションに至る製品デザイン開発のプロセスを体験し、プロダクトデザイン開発に必要な知識とスキルを習得する。●プロダクトデザイン演習Ⅱa製品のデザイン開発を進める上での基本的な情報収集、分析、整理に加え、具体的な検討内容や方法、プロセスについて、課題演習を通じて体験的に学ぶことを目指す。特に、設定したユーザーの心理や行動、ライフスタイル、価値観などへの理解をもとに発想し、ふさわしい仮説を立てて演習する。何が求められているかに応える側面と、気がつかなかったけれど欲しかったと思えるような新しい価値を発見し、提案できるような柔軟な発想とその具現化を目指す。 ●プロダクトデザイン演習Ⅱb製品デザインの基本的な方法を学ぶ。具体的には既存プロダクトの体験、コンセプト立案、アイデア展開、スケッチによる形のバリエーション展開、レンダリングなどのプロセスを通し、新たなデザイン価値の創造と提示を目的とする。グループワークによるコンセプト立案や、CG・CADを利用しながら、課題演習を基本とした体験的な学習を行う。●ビジュアル表現基礎表現を通してビジュアル・コミュニケーションについて学び、グラフィックデザインに必要な基礎的素養を身につける。キャラクターデザイン、構図、色彩、コラージュ、モンタージュ等のイラストレーション表現と、タイポグラフィ、紙面構成、ブランディング等のグラフィック表現に関する知識・技法を、短いスパンの課題を通して修得する。本科目で身につけた基礎力を、後期に開講されるグラフィックデザイン演習A・B・Cでの学びへと発展させる。●メディア産業論様々な産業において、メディア技術の進展によってどのような変化が起きたのか、ということについて学ぶ。そして、それぞれの産業における具体的なデザイン上の課題を題材にして、メディアを活用したソリューションの提案を行う。学習の題材として取り上げる業界は、楽器等を扱うプロダクト業界、紙媒体やWeb媒体を扱うグラフィックデザイン業界、空間のデザインを扱う展示業界、様々なメディアを駆使して広告、広報、商品企画を行う広告代理店等である。なお、本科目は文化政策学部の研究分野との接点を持つことから、授業の運営において文化政策学部との連携も行う。●メディア数理造形演習「サウンドデザイン」で学んだサウンド/音楽のプログラミングを発展させて、聴覚と視覚の両方をアルゴリズムによって生成するデザイン手法(数理造形)を学ぶ。具体的なテーマとして、(1)サウンド・プログラミング環境によるリアルタイム・マルチメディア生成、(2)物理法則/フラクタル/カオスなどを活用した数理的な「美」のデザイン、(3)自然界の物理量や人間の身体動作に対してインタラクティブに反応するシステムのデザイン手法、(4)ビジュアル・プログラミング環境によるグラフィック生成とネットワーク連携、などを学ぶ。●モノ・コト論豊かで快適な暮らしのためのデザインとは、いわゆる製品に代表される「モノ」のみならず、それらを通して得られる経験や物語といった「コト」が重要な位置を占めている。そんなモノ・コトについて考え、新しい価値を提案していく上で必要な考え方や技術、手法についての基礎を学ぶ。人とモノとそれを取り巻く生活環境との関係を基本に、人々の生活に潤いを与えるデザイン提案のための基礎的能力の獲得・向上をモノ・コトの両面からはかる。●ものづくりのシステム社会生活に欠かせない「もの」の意味、価値を「ものづくり」という視点で、プロセスや取り組み方など多角的に考察し学習する。客観的にどんな流れになっているのか?という仕組みを知ることと同時に、どんな意思を込めてものづくりをするのか?そしてその意図をプロセスの中でどのように一気通貫させてメッセージを劣化させずに使い手に届けることができるのかを考える。取り上げるテーマは地場産業、伝統工芸、少量生産、大量生産、特注物等。●ランドスケープ計画20世紀後半に入り地球規模での環境を考えなくてはならないことがようやく周知されてきた。21世紀は、ユニバーサルで多様性を持つ循環型の世界のあり方が問われている。このような視点に立って、自然と文化両面における指標である景観(ランドスケープ)の価値を正しく理解し、ランドスケープの基本的な考え方とランドスケープデザインの計画に関する方法論を古代から中世、近代、現代に至るまで通時的、地中海地域からヨーロッパ、アフリカ、インド、中国、日本に至るまで共時的に学んでいく。●木のデザイン日本人は昔から木の家に住み、木を用いた家具や道具などの木工芸品に囲まれて生活してきた。木には様々な種類があり、色、香り、表情、性質などが異なっているが、先人たちは木の特性を活かして木工芸品を作ってきた。木を使い続けてきた生活環境と素材の特徴を理解し、今日まで受け継がれてきた木工芸の技術を学ぶことで、木の持つ魅力を引き出す、新しいデザインについて考える。 ●移動のデザイン今日におけるパーソナルトランスポーテーションの代表となっている自動車を中心に移動機器についてのデザインを学ぶ。具体的な進め方としては、現在の社会で使われている既存プロダクトへの理解を深めながら、それらの背景にある意義や課題を共有し、分析と立案のプロセスを通して新たな問題解決や価値を個々に提案させるとともに、移動機器特有の機能、構造、レイアウト等に触れながら、造形やデザイン表現の技法に関する学習を行う。●映像デザイン演習Ⅰ3DCGは、キャラクターや背景のデザイン、ライティング、アニメーション、カメラワークなど、さまざまな専門分野を網羅する重要な技術である。また、非常に複雑なソフトウェア知識と手順を必要とする分野でもある。3DCG制作の基礎から、モデリング、アニメーション、レンダリング等の技術を学ぶ。また、ゲーム制作や映像制作に関わるワークフローを履修し、各自が3DCGのプロセスの特定の部分に焦点を当て、具体的なプロジェクトを完成させる技術、意識を身につける。●映像デザイン演習Ⅱ現代社会において映像はシングルチャンネルの上映形態のみにとどまらず、さまざまなデバイスを通して空間的にも展開し、偏在するスクリーンは私たちの生活環境の一部を成している。そのような環境における映像表現に必要なコンピュータ技術、具体的には編集、合成、CG、Web映像などの制作技術を課題制作によって修得し、それらをベースとして実写のショートムービー、プロモーションビデオ(PV)、ミュージッククリップ、インタラクティブムービー、XR映像等の制作を行う。●映像技法演習映像制作は、通常シナリオやグラフィックコンセプトから始まり、ポストプロダクションやサウンドデザインに至るまで、複雑な長い工程を経て完成されていく。その間に、カメラマン、アニメーター、作曲家、モーションデザイナー、サウンドデザイナーなど、様々な専門職が存在する。多様なツールやソフトウェアの仕組みの理解を深め、デザイナー、監督として、自身のビジョンをいかにしてスクリーン上に存在させるかを学ぶ。●映像撮影技法実写撮影の基本となるビデオカメラと照明機材の扱いを学習する。スタジオ撮影、オープン撮影それぞれにおけるカメラのフレーミング(構図)やレンズ(画角)の選択、移動撮影が生み出す効果、あるいは照明による演出効果の違い等について実習を通して検証する。さらに映像編集のセオリーと多彩な視覚効果を生み出すための合成手法を体系的に学ぶことで、断片としての撮影素材から一つの作品が成立するまでのプロセスについて包括的理解を深める。●音楽情報科学「メディア数理造形演習」で学んだマルチメディア・プログラミングを発展させて、「ビジュアル・サウンド」領域での作品制作につながる、センサ群とヒューマンインターフェイスを活用したインスタレーション/パフォーマンスなどのメディア・アートへの展開を目指す。あわせて、(1)聴覚/視覚の融合とマルチメディア錯覚、(2)メディア心理学実験と認知科学、(3)音楽情報科学の世界先端の研究、(4)作曲/編曲のための音楽理論・コード理論についても紹介する。●環境計画地球環境問題、エネルギー資源の枯渇という地球規模の課題から、持続可能な社会形成、快適な室内環境形成という身近な課題まで幅広く

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