静岡文化芸術大学 大学案内 2024
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Curricu Inforl mationカリキュラム/インフォメーションum/SUAC_131領域専門2024年度 カリキュラム●素材加工演習a・b日本の伝統工芸・伝統建築に使用されてきた素材あるいは現代的な素材を知り、それらの特性に合わせて技法を応用し、作品を制作することで、素材に応じた造形を学ぶ。鍛金、鋳金、彫金、陶芸、ガラス、プラスチック、木工芸、染織の8技法の中から選択して体験することで、その素材や技法の魅力を発見することを目標とする。 ●地域計画論行政施策としての「計画」の概念を論じるとともに、様々なジャンル別の地域計画の考え方を理解する。特に、都市や農山村など地理的な立地条件の違いや、歴史的経緯などを踏まえた地域計画を概説し、そこで果たしてきた「計画」の意味、主体、可能性と限界などについて、具体的な事例を取り上げながら考える。また、戦後日本の国土・地域・都市の計画の系譜をたどり、その延長線上で、環境、自然、歴史・文化などの今日的課題に対応した地域計画論の方向性についても言及する。●都市デザイン論都市・地域とその環境について、具体的事例を通じて学び、デザイン手法を身につけることにより、良好な都市・地域環境、生活環境の創造に活かすことを目的とする。都市や地域、生活環境をその構成や成立背景等様々な視点から理解し、また、それらの成り立ちの原理や手法を学習する。これらの学習を通じて、都市・地域の景観や生活環境づくりに際し、考えるべき課題を見極め、それらを計画に反映する方法を考察していく。●日本伝統建築日本の伝統建築は、古代、中世、近世、近代とその時代の歴史や文化を背景に様式を確立し、継承してきた。その建築様式と技術の歴史、さらに建築を構成する木材や石材、漆、鉄、紙等の材料や、建築を造り上げてきた鑿、鉋、鋸等の道具について幅広く学ぶ。また文化財政策の歴史と現状、伝統建築の保存・修理・活用に関しても理解を深め、静岡県の文化資産ともいえる伝統建築のあり方も考える。●テキスタイル概論人類は太古の誕生間もない頃から自然界にある繊維をまとい、やがて自ら織り、染めてきた。衣服としてだけでなく居住環境にも応用することで、生活を豊かに、快適に、美しいものにしてきた。そのような人と繊維の関係に関する歴史、文化、技術、産業の変遷を通してテキスタイルに対する理解を深めるとともに、新たなテキスタイルの可能性について学ぶ。●匠造形演習素材加工演習の体験をもとに、鍛金、彫金・装飾金物、陶芸、木工芸(漆)、染織の5技法から自分に合った1技法を選択して、作品の制作に取り組む。専門的な技法や道具の扱い方を学ぶことで造形能力をさらに高め、素材を活かした新たな造形の可能性についても考える。●伝統建築技術演習日本伝統建築を学ぶには、近世・近代まで継承されてきた建築の基礎を理解することが基本である。伝統建築の実測調査と図面作成の演習によって、構法や意匠について学ぶ。さらに伝統建築に関わる匠(技能者)の技の実演と体験から、受け継がれてきた技能・技術に関する理解を深化させ、新しい創作においても、文化財保存においても、匠と協働するための素養を身につける。専門科目* 領域1/デザインフィロソフィー領域 領域2/プロダクト領域 領域3/ビジュアル・サウンド領域 領域4/建築・環境領域 領域5/インタラクション領域 領域6/匠領域●木造建築演習日本の風土から生まれた木造建築の空間・意匠等の様々な特徴を理解し、木造建築の構法と大工技術について学ぶ。また、文化財建造物・木造住宅の耐震化については大きな課題であり、木造建築の構造や耐震化についても理解を深める。最終的に木造建築の設計課題を通して木造建築の構法と特徴を理解し、森林国日本における建築のあり方について考える。●領域専門演習(領域1、2、3、5、6)*本演習では学生が所属する領域に関係する基礎的なデザイン知識や方法の深化を目的とする。所属領域におけるテーマや課題を選び、各担当教員の指導のもとでテーマに即した調査検討や課題制作等を通じて、既習の知識・方法について展開・応用する手法を学ぶ。これまでに履修した講義や演習の成果を応用する第一歩であるとともに、「総合演習Ⅰ」につながる自発的な研究および制作のための予行演習の位置づけである。●総合演習Ⅰ(領域1、2、3、5、6)*本演習では、3年前期までに修得したデザインに関する知識・技術・経験に基づき、個人の創意と工夫により、各領域に関係するテーマや課題を企画・立案し、担当指導教員の指導のもとで、演習形式として研究・制作する。これまでに履修した講義や演習の成果の応用篇であるとともに、「総合演習Ⅱ」および「卒業研究・制作」へつながる前段階の自発的な研究および制作演習である。より高度で専門的な能力を、各学生が個別に修得するプロセスと位置づける。●総合演習Ⅱ(領域1、2、3、5、6)*本演習では、3年後期までに修得した知識・技術・経験に基づき、個人の創意と工夫により、各領域に関係するテーマや課題を企画・立案し、担当指導教員の指導のもとで、「総合演習Ⅰ」の経験を踏まえてさらに高度な演習形式として研究・制作する。これまでに履修した講義や演習の成果の具体的な応用篇であるとともに、「卒業研究・制作」へつながる前段階として、テーマの企画、立案、日程管理、予備的実験および試作などを行う自発的な研究および制作演習である。高度で専門的な能力を修得する学習プロセスの最終的な段階と位置づける。●建築設計演習Ⅱ(領域4)*1年・2年・3年を通して学んできた空間である都市、建築、インテリア、地域環境、景観を対象として、担当教員が設定する複数のテーマから課題を選択し、設計を行うことによって、これ以降の総合演習で取り組む各自の専門的な課題の探求の導入的な位置づけを持つ。この演習では、よりテーマに沿った分析と思考が求められるが、完成作品については担当教員全員が講評を行うことにより、各分野とは異なる分野からの視点も学ぶ。専門科目卒業研究●建築設計総合演習Ⅰ(領域4)*総合演習Ⅰは、領域の全教員がそれぞれ設定した課題からテーマを選択することによって、設計演習Ⅱで取り組んだ専門領域の課題について、より多様で深い内容からの考察を行う内容となっており、この考察を通じて、課題への幅広い対応力を身につける。課題の選択について、設計演習Ⅱ、総合演習Ⅰ、総合演習Ⅱでの専門領域の統一は求められないが、思考の過程や作品の中で、各自が社会的問題や人間性への考察を行うことが重要なポイントとなる。●建築設計総合演習Ⅱ(領域4)*建築・環境デザインは社会的な行為であり、デザインそれのみが社会的、経済的な文脈から孤立して成立することはありえない。ここでは、これまで大学の講義や演習で学んできたそれらの一般的な諸相をベースとしながら、各自の問題意識や今日的な問題をテーマとして設定し、関連する分野の教員の指導のもと、それらの問題と、建築・環境のあり方の関係をまとめたレポートを作成する。4年間の集大成となる卒業研究・制作の前段階に位置づけられる演習である。●卒業研究・制作4年間の総合的な学習効果を自分の選んだテーマで作品または論文とする。1)卒業研究・制作テーマ設定、2)既存の関連研究・デザイン情報の収集、3)研究・制作方法の決定と資料の収集、4)研究・制作、5)研究・制作の結果得られた成果に対する考察の手順で研究を遂行する。演習Ⅱで捉えた問題意識や創造的思考をもとにテーマを企画立案し、期間内に遂行することで、学年末に最終作品または卒業論文の形にまとめるとともに発表を行う 。

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